逍遥歌 夕陽遠く    


      広島高等学校昭和十三年寮歌
        伴奏:TAKECHANバンド 



 1、夕陽遠く海に落ち
   二葉を照す月影の
   櫻の下に男の子等は
   熱き美酒(うまざけ)交すかな

 2、朧月淡き三篠川
   蛍の光偲びては
   昔を懐ふ歌心
   若き心に萌え出でて

 3、(しほ)()さゆる瀬戸の海
   小船(をぶね)を友と棹させば
   砕くる波は永劫(えいごふ)
   眞理(まこと)を胸に通はしむ

 7、左手(ゆんで)に握る(ふみ)の精
   右手(めて)には保つ道徳(とく)(はな)
   輝くツライン(ぬか)に置き
   いざや進まん自治の道

       *作詞者は昭和10年理乙入学、病気休学で留年、翌11年復学、夏休みに
        虫垂炎で病死。 作曲者がこの逍遥歌を作曲した経緯は不明。おそらく寮
        日誌のなかにこの詩を見出し、作曲したのではないかと推測されている。
        作曲者も昭和18年海軍予備学生として旅順で戦病死した。この逍遥歌は、
        作詞者・作曲者とも知らず聞かずのまま歌われてきた寮歌である。