1、カンナ一輪血に咲きて 若き心はきはまりぬ
草間に露の玉光り 木の間に秋の風吹けば
吾が瑞陵の若人よ 胸を開きて歌はずや
4、秋はすべてを訪れて 秋はすべてをとざしけり
無言の哀歌一陣の 風にゆられて消えて行く
凋落の葉を眺めつつ 歌はずや君秋の歌
5、白檀の雲空を飛び 木犀の花地に布きて
秋まだ淺き瑞陵に 黄昏の色せまり來ぬ
やがてまたたく明星に 久遠ののぞみ歌はずや