春は日影の

    大正十五年度第八高等学校寮歌 
                     

作曲者の末広恭雄はJASRACに著作権を信託、誠に残念ながら曲の演奏はできません。
歌詞の掲載のみにとどめます。


1、春は日影のとのぐもり
  藤浪匂ふ鈴鹿山
  秋は紅葉のちりしきて
  瀬の音さゆる木曽川原
  又かぎろひの野辺を行き
  月照る庭にかたらひし
  友とむつびし丘の日の
  星霜三年はすぎやすし

2、年行き星は移りなば
  若き血潮はもえざらむ
  この世の春はかへるとも
  我が青春をいつか見む
  ああ高殿に友と来て
  今宵は別れの宴なり
  面は笑みて歌へども
  心に泣ける我を見よ

4、友情の美酒を思ひては
  立ち去りがたき高殿や
  人世の道はかたくとも
  友の情は忘れじよ
  この世の旅につかれては
  熱砂の原に伏するとき
  我友ありてこの此処に
  待つとし言はばかへり来む