春三月の   

    大正十三年度第八高等学校寮歌 

                 
 演奏:TAKECHANバンド


1、春三月の花の香に    現なき日の放浪に
  十幾年を送りけり    されど若人まどろまん
  ここ夢の國東郊の地   ああ幻想の春なれや

2、今宵火搖ぐ三樓に    幻の霧訪ひぬ
  いざ立て友よ玉杯に   契永久に歌ひなん
  春いつかめぐりくる  ああ歡樂の春なれや

3、苔蒸す史三寮に    盡きぬ流は紅の
  地なり肉なりたまゆらの 生命を惜しむ友と友
  熱き涙に相抱く     ああ感激の春なれや

4、偸安宿す橄欖の     露落ち花の散るもとに
  思ひを秘めて彳めば   君は知らずや草笛の
  うれひを乗せて流ゆく  ああ哀傷の春なれや

5、行く水ゆるしヨルダンの 流れを酌みてなつかしむ
  丘の日今し暮れ行けど  無言の祈り合掌に
  星辰愛をささやきぬ   ああ修道の春なれや