故郷遠く         

      昭和十年第六高等学校寮歌
  
              
伴奏:TAKECHANバンド


1、故郷遠く六稜の      理想の炬火を目指しつゝ
  濁世の海に漕ぎ出でて   逆巻く波も吾緒琴
  八重の汐路を掻き分けて  旭水畔友を見ぬ

2、春行楽の夜は更けて    友と手を把り漂泊ひつ
  蒼龍影の濃き辺り     驕楽の中に秘めやらぬ
  哲理の姿見出して     進まん道を誓ひたり

3、荒鷲翔ける蒼穹に     夏雲湧けど炎熱に
  紅頬汗は伝へども     真理の道を辿りゆく
  子等の憩へる三寮は    操の影に包まれぬ

4、あゝ中天に月冴えぬ    木犀の香の忍び寄り
  篝火揺らぐ庭の辺に    星の筵に宴する
  意気の男の子は円座して  感激の歌、声嗄れぬ

5、朔風と吹き荒み      時期の流れは滔々と
  三つの城辺を襲へども   希望に燃ゆる若人よ
  自治の誇りを翳しつゝ   層巒越えて飛躍せん