第五高等学校大正十四年端艇部部歌
1、不知火燃ゆる西海は 黒土豊かに繞るなれ
長江みどり蘆鳴れば 蜻蛉は黙し流るなり
あゝ我が男の子夢多く 海潮音に生享けぬ
2、鴎を追ひて海遠く 舷波を浴びし終日の
力漕なれば金星は 勇士の肩に光るなり
紫淡く野は暮れて 帰れる群に意気あがる
3、さあれ憂き日の波枕 昨日も今日も海に寝て
波間に生命刻むなる 臥薪の苦楚を誰か知る
海の彼方に雲仙の 霊峯遂に守るらん
4、さらば行く可し風荒き 近江の海はすさぶとも
長江十里飛びかひし かの神馬の龍南の
柏を載せし走艇に 敵する者のありなんや