1、南国遠く色薄き 浅葱桜の香を慕ひ 古き都の花の野辺 仙石の野に逍遥ひつゝ 白楊の下杖留めて 永曠の空仰ぐ哉 2、北の浜辺に磯菜摘む 乙女の心移ろはず 雲立ち舞はぬ白嶺に 若き男子の永遠の 堅き志の友垣は 変わりは行かじ一夜草 6、東の山の木の下や 雪消を待たぬ彼の園に 三年の愁留め置き 野菅の笠を被りて 尾山の森の夕間暮 逝く春思残す哉