櫻の若葉     


      明治四十四年第三高等学校紀念祭歌

        伴奏:TAKECHANバンド 

1、櫻の若葉吹く風も    暁清き皐月空
  三十六の峯々の     紫雲にもゆる日の光
  見よほのぼのと霧晴れて 洛陽の朝あけてゆく

2、いま日の光高閣の    甍すべりて雙松の
  みどりの露にさしそえば 力こもれる夏の香は
  若き心を躍らせて    まためぐり來ぬ紀念祭

3、この松かげに宿りして  二十五年の春と秋
  王城の守護、比叡の嶺  理想は高しそゝり立つ
  希望は清しゆく水の   ながれてやまぬ加茂の川

4、冶容の俗を蹂躙り    正義の道を闢かむと
  九百の戦士神陵に    高くかゝぐる櫻章旗
  雲路はるかにかゞやきて 惰眠の民を起たしめぬ

5、盛んなるかな初夏の   清きみどりの香をかげば
  熱血胸にあふれきて來て 鷙鳥虚空を仰ぐごと
  踴躍の思堪へがたく   覺醒の意氣いや高し

6、二弦奏づる松の葉に   夕すゞしき星月夜
  光榮ある歴史偲びつゝ  まためぐり逢ふ紀念祭
  よろこびあぐる盞に   松雫すようすみどり