1、かじかみの疎林を抜けて 星屑冴ゆる三神峯に上れば
篝火は赤く耀よひ わが寮は祭りなりとや
誰が笛ぞしゞまに濡れて 三つ年の懐想果なし
2、たまきはる命哀しも ひたぶるに憧れ來し道
踏み分けし高嶺の花や さまよひし壊滅の谷や
うら若き旅すがらかも しかすがに夢よ幻
3、遍歴はされどたまゆら 叩かなば開かるものを
彼方なる光芒凝視て いざさらばわれもうたはな
胸底に玉なす調べを 濁り世は耳かさずとも
4、寂びたけぬ魂の故郷 四十年をいよゝまさきく
今宵もぞ記念の宴と すこやかに貴くあれな
暫時の別盃乾すとも 何時の日か回歸來むもの