道路側の三角屋根と、中庭をつつむようなコンクリートのマッスをブリッジでつなぐ構成となっています。既存樹木出来るだけ残し、緑の環境維持に努めながら、建物の表情もその自然環境を壊すことのないように、外壁、屋根を無機質な表情とし、緑と建物のコラボレーションを目指しました。敷地は道路側から約1.2m緩やかに下がり、途中に大きなヒマラヤ杉がそびえています。このような場の特性を生かすために高低差を階段状にし、ヒマラヤ杉を囲むように円弧状の形としました。この階段に腰掛けて、ヒマラヤ杉を囲い野外コンサートが出来るように、また円弧の内側は、室内からも良く見えるようにガラス面としてヒマラヤ杉に向かって開かれています。インテリアは、コンクリートと木のバランス、一部に漆喰を使い、たっぷりとした厚みの感じられる暖かい雰囲気になるようデザインしました。奇をてらうことなく場の力を素直に読み取り構成し、静かな造形を心掛けました。