番外編


THE SPECUILATIVE DINOSAUR PROJECT(思弁的恐竜プロジェクト)

恐竜がもし絶滅していなかったら?
これまで紹介してきた「新恐竜」はそういうコンセプトで作られた本であった。そして現在、同様のコンセプトで作られたサイトがある。
それがTOPページで紹介した
THE SPECUILATIVE DINOSAUR PROJECT(思弁的恐竜プロジェクト)
URL:http://www.bowdoin.edu/~dbensen/Spec/Index.html

である。
これは海外の英語サイトで、情報量も多く、読解は困難であるが、そこには魅力的な進化した恐竜達が登場している。
新恐竜に比べ全体的には祖先の恐竜の原型は留めているものがおおいようだ。

今回、それらの一部を紹介しよう。
ただし、それは私の乏しい読解力に基づいていること、解説に私見が混じっていることはご容赦願いたい。
できれば、どのたかがこのサイトを完全翻訳されることを望むものである。


【ティラノサウルス類とアベリサウルス類の末裔】

 

右:シベリアンブリザード ティラノサウルス類の末裔。
左:カペドモロク  アベリサ
ウルス類の末裔


先ずはティラノサウルス類とアベリサウルス類の進化形である。白亜紀末、ティラノサウルス類は北半球でアベリサウルス類は南半球で繁栄していた。両者は系統的にはティラノサウルス類がコロエロサウル類、アベリサウルス類はより原始的なケラトサウルス類に属している。しかし両者は大型の捕食者として同じ生態系地位にいたこと、口に並んだ牙で獲物を狩るという生活スタイルをとっていたため、頭骨が大型化し、バランスをとるために前足が小型化する傾向があった。
そして彼らの末裔は、両方とも前足が退化していくという傾向は止まらなかったようである。
シベリアンブリザード、カペドモロクとも前足は痕跡程度しか残っていない。しかし、それ以外はあまり祖先と変わっていなく、我々の世界のディマトリアなど恐鳥類と同じような生態のようである。


鳥脚類を追いかけるティラノサウルス類の末裔キンナー。前足が退化した以外はティラノサウルス類のデザインに大きな変更がないことが分かる。






【サバンナに住む竜脚類】

左の図の恐竜はアフリカのサバンナに生息するカミナリ竜:グラスバックである。
タイタノサウルス類は白亜紀末南半球の主要な植物食恐竜として繁栄を極め一時北半球にも進出したが、現在ではアフリカ大陸など主に南半球に戻ってしまったようである。変わって北半球では角竜や鳥脚類がカミナリ竜ににた動物への進化を遂げている。
グラスバックはサバンナに適応した草原型の竜脚類で首は草を食べるために水平に伸び、口も下を向いている。









【魚食性のラプトル】
 

右図:アクアト 魚食性のラプトル
左図:イビスドメオ 同じく魚食性のラプトル

魚食性恐竜として有名なスピノサウルス類は現在まで子孫を残せなかったようである。その生態系の地位は我々の世界同様ワニが引き継いだようだが、その一部はドロメオサウルス類の一部にも引き継がれたようだ。
アクアトイビスドメオはヴェロキラプトルの仲間が魚食性に進化した恐竜である。スピノサウルス類の生態系ポジションを一部受け継いだ、我々の世界の鷺や川鵜にあたる動物である。

【樹上性恐竜】
右図:ブラカーポ
左図:ブルムトゥムブラー


右の2つの図の恐竜は樹上性の恐竜である。われわれの世界の猿に該当する生き物である。どの恐竜の系統から進化したのかは今ひとつ読み取れなかったが、おそらくオビラプトル類ではないだろうか?外見はまさに鳥と猿のハイブリットである。









【オビラプトルとテリジノサウルスの末裔】

右図:ストレク オビラプトルの末裔
左図:トラドックス テリジノサウルス類の末裔


オビラプトルの末裔はどの種も取りに限りなく近くなっている。鳥との違いは前足が翼になっているかどうかという点以外は外見上ほとんどない。テリジノサウルスの末裔はオオナマケモノのような生態系的地位に進化したようである。

【ネオ・ハドロサウルス類】
図1                       図2
 
図3                           図4
 

図1:アフロ       アフリカに生息するネオハドロサウルス類我々の世界のインパラや鹿に該当する
図2:チラフ       我々の世界のキリンに該当するネオハドロサウルス類
図3:ガルムフ     北米に生息するハドロサウルス類。祖先のデザインを色濃く残している
図4:エクラサウルス 我々の世界の牛に該当するネオハドロサウルス類

我々の世界で主要な草食動物といえば有蹄類(牛、馬、羊、豚、ヤギ、キリン、鹿、インパラ、カバなど)である。そして恐竜が絶滅しなかったらその生態系における地位のかなりの部分をハドロサウル類が占めていることだろう。もともと白亜紀末の時点で彼らは被子植物という新しい植物環境に適応していた。そのためガルムフのような保守的なスタイルのものも存在する。一方、新生代に出現したイネ科の植物による草原にもハドロサウルス類は適応していった。その結果、我々の世界の鹿や牛に似たアフロエクラサウルスが生まれた。また、気候変動でカミナリ竜がいなくなった地域ではその地位を引き継ぐため、チラフのようなカミナリ竜に似た姿に進化したものも現れた。

【角竜の末裔】
角竜は白亜紀末期に大繁栄したグループであるが、新生代になって竜脚類が絶滅した地域では大型化し、その地位を埋めるものも現れた。
バルンダーもその一つであり。彼らの外見はカミナリ竜に良く似ているし、また我々の世界の巨大哺乳類インドコテリウムにも良く似ている。
彼らは我々の世界の象に該当する動物といえるだろう。






【保守的なヨロイ竜】
ミスコーンイは白亜紀末期のアンキロサウルス類とほとんど変わらない姿をしている。彼らは恐ろしく保守的である。しかしそれは、彼らが生きる環境が白亜紀末となんら変化していないということなのである。







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