【解説】
白亜紀中期の大型肉食恐竜。大きさは体長12.5mとティラノサウルスに負けない最大級の肉食恐竜である。分類はこれまでアロサウルス科と考えられていたが、ギガノトサウルス・カルカドロンサウルスの研究が進むにつれカルカドロンサウルス科に含まれた。しかし、1990年代に完全な骨格が発見され、研究の結果再びアロサウルス科に分類すべきとの意見もある。
身体的特徴としては大きさだけではなく、背骨の突起が20〜30pとながく帆を張っているように見える点である。
同時代にはスピノサウルス、オウラノサウルス、アマルガサウルスと系統の異なる恐竜で帆をはやした恐竜が多く生息していた。これは太平洋での大規模なマントルプリューム噴出による地球温暖化への適応として考えられる。アクロカントサウルスの場合も同様の適応で、背骨の突起は体温を主に冷やすための、ラジエターのような役割を果たしていたと思われる。
一方で、筋肉を付着させ巨体を支える器官ではとの説もある。
また、同種がカミナリ竜を追跡したと思われる足跡化石が見つかっている。若い個体のものと思われる足跡の調査結果では時速40qというかなり早いスピードで走れたことが伺われる。

彼らの絶滅により北米では大型肉食恐竜の生態系的地位が空白となり、ユーラシア起源と思われる小〜中型のコエロサウルスであるティラノサウルス類が大型化し、その地位を埋めた。彼らはティラノサウルスの偉大な先輩なのである。
基本データ
アクロカントサウルス




分類 獣脚類 テラヌタ類 カルカドロンサウルス科(もしくはアロサウルス科)
生息年代  白亜紀前期アプチアン階〜アルビアン階(約1億1200万年前)
生息地域 北米大陸(オクラホマ・テキサス)
体長/体重 9m〜12.5m/?
食性 肉食



(写真はブラックヒルズ地質学研究所の標本)















【アクロカントサウルス写真集】

   

アクロカントサウルス全身骨格。「世界最大の恐竜博2002」図録より
背骨の突起の大きさが良く分かる。


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