【解説】
日本で一番有名な海竜である。「のび太の恐竜」のピー助もフタバスズキリュウである。
フタバスズキリュウは1970年に地元の高校生によりほぼ全身の骨格発見され、大規模な発掘が行われた。当時、日本で恐竜化石の発見例がなかったため、恐竜と混同されていた海竜が発見されたということでかなり有名になったのである。
フタバスズキリュウが発見された双葉層群は白亜紀後期(8000万年前)に海に堆積した地層である。この地層からはアンモナイト、べレムナイト、サメの歯などの当時の海洋生物の化石が見つかるほか、近くにあったと思われる陸の植物化石や琥珀も見つかっている。また恐竜の化石も見つかっており、ティラノサウルス類、ハドロサウルス類、カミナリ竜が生息していたことが分かっている。また、フタバスズキリュウ以外の海竜化石も見つかっており、最近では「鉄腕DASH」でトキオがフタバスズキリュウが発見されたいわき市の大久川で海竜化石を発掘している。
基本情報
フタバスズキリュウ






  

分類 首長竜類
生息年代 白亜紀後期(8000万年前)
生息地域 日本福島県いわき市
体長/体重 7m/?
食性 肉食(魚、アンモナイト、イカ)













【フタバスズキリュウの発掘】

  

左よりフタバスズキリュウ発掘地いわき市大久川、1970年の発掘の様子、国立科学博物館での復元作業の様子。

右図:フタバスズキリュウの産出状況
フタバスズキリュウは頭骨を含むほぼ全身が見つかったが、首長竜の特長である長い首の部分は川に浸食され失われていた。
また、サメの歯が一緒に大量に見つかっており、サメとの戦いが発見されたフタバスズキリュウの死因と考えられている。



左図:
国立科学博物館みどり館に展示されていた
フタバスズキリュウ






上図:福島県立博物館展示のフタバスズキリュウ 


左図;いわき市石炭化石館展示のフタバスズキリュウ











【双葉層群の化石】

  

右:トキオが発掘した首長竜の全身骨格模型
中:ヒサノハマリュウ。カミナリ竜の歯の化石。時代から言うとタイタノサウルス類?
左:ヒロノリュウ。ハドロサウルス類の首の骨の化石。アジアでも最古級とのこと。


このほか隣の広野町ではティラノサウルス類の化石も見つかっている。
双葉層群の恐竜を近縁なもので見ると下のような感じになる。
  

右:アルバートサウルス=フタバリュウ
中:ニッポノサウルス=ヒロノリュウ
左:ティタノサウルス=ヒサノハマリュウ

 
いわき市では双葉層群で巨大アンモナイトが密集して見つかる露頭をそのまま見学できるアンモナイトセンターと言う施設があるほど、アンモナイトの化石が見つかっている。8000万年前の豊かな生態系が推測できる。

右写真:双葉層群で発見された琥珀に封じ込められた8500万年前のアリの化石。
双葉層群ではこのような虫入り琥珀が発見されている。
アリ類は、一億二千万年ほど前にハチから分かれ進化した当初は数が少なく約四千万年前(新生代)に爆発的に増殖したとされる。白亜紀の地層から化石が見つかったのはこれがはじめての例である。
双葉層群は海の地層だが、このように近くにあった陸の環境も分かる化石も見つかるのである。

ジュラシックパークで最初に再現されるのは双葉層群の恐竜かもしれない。








1.「ティラノサウルス友の会」ポータルに戻る

メール:a9609477@mvd.biglobe.ne.jp

ご意見、ご感想はまで