七吟歌仙 春の月の巻    おるか+東人+紫野+振り子+四童+朝比古+天気

   流域のみみず太るや春の月    おるか
     苗田に青の澄みてひたひた   天気
   春眠のシルクの道を追ふやうに   東人
     隠れ家までの煙草屋の数    紫野
   つぎつぎと男を照らす望の月   振り子
     白髪いとしきながながし夜を  四童
ウ  秋霖のじゆんわり芋の根に滲みて   気
     電脳市に掘り出しもなく     か
   逢ひませう互ひの声に飽きるまで   野
     雲南の丘しづもる気配      人
   人体の傾斜によりて四方拝      童
     ミイラ職人膂力の余り      子
   陥落の村の端から夏の月       人
     水鉄砲の水に立つ虹     朝比古
   足跡が消えて砂漠は夢を見るか    か
     彼岸過ぎたら銀行ギャング    子
   花の夜は開かずの扉ノックして    野
     光円錐を肩に行く春       童
ナオ メーデーの最後に鳴らすクラッカー  人
     ヒモの条件満たして余る     気
   通行人のヒッチコックはシルエット  子
     朱き唇より風邪をもらひて    か
   細雪見るにほどよき膝枕       古
     冷泉家にはメールが届き     人
   気がつけば首都高速のカーチェイス  野
     流線型の瓜を撫でつつ      気
   華道部の部室に数多なる凶器     童
     足の痺れを治すまじなひ     野
   月光を浴びて異国の人となる     古
     秋のソナタも好いではないか   子
ナウ 蟻穴に入るを横目のきりぎりす    気
     どこか傷ある花野と思ふ     か
   思ひ出すたびに針飛ぶ古き唄     童
     春手袋にドーナツの油脂     古
   ループ式線路消えゆくまで落花    人
     海市の中に鉄門の見ゆ      子



起首 2004年 3月10日(水)11時35分39秒
満尾 2004年 7月23日(金)01時03分27秒