山小屋事情

山の好きなところは何処ですか

 何かを好きになる、ということは、過去や生い立ちや、気付かぬうちに見たり聞いたり、無意識のうちにここち良かったりすることなどに気付き、それを大事にしたいとか、もっと知りたいとか、いっしょにいたいとかを、考え又は行動し、よりその心地良いところに近づこうという、人の欲望の現れが、好きになるということのはじまりかと思います、これは個人差がありその時代の流行や流れる情報量の差がありますので、一概には言えないですが、人の心の奥底を何かの刺激が気持ち良く感じそれに気付いたときにそれを好きになり、大事にしたくなると言う感じかなと思っております。

 

 私は、岡山の玉野と言う、母の祖父母が暮している所で生まれました、確か玉姫神社の近くで喫茶店をしていました、神社には,山から落ちてきたとか言う大きな岩が奉られていて、喫茶店には庭から店内まで続く川の中には金魚が泳いでいました、そこが田舎だと思っています、あまり思い出は無く、友達がいた訳でもありません、ただその喫茶店の裏には玉姫神社の岩が落ちてきただろうと言われる里山がありその山では、良く遊んだことを覚えています。

 

 中学のころに林間学校で山奥にいった事がありました、そこでは宿泊する所まで永遠と山道を歩かされました、もう少し下ると宿に着く所で、九十九折れの山道を大胆にも近道することを思いつき、同級生と決行し下り出したのですが、急に足が踏ん張れなくなり走り出し、いきおいで次の折り返しの道まで転落しました、幸い学生服を汚しただけで怪我は無かったのですが、坂道を走り出した時や、次の道に転落しているときの怖かったことを覚えています。

 

 そんな私が初めて登った山が大山でした、しかしそこには、山登りで出かけたのではなく、カップル2組で、ペンション泊まりテニスをするのが目的だったのですが、朝からテニスもし飽きて、オーナーにどこか面白いこと無いですかと尋ねたところ、大山を登山してきては、と勧められました、テニスシューズでも、大丈夫だからと言うことで、私たちはテニスウェアーとテニスシューズと言う軽装で大山寺のところにある登山口まで送ってもらい、地図も水筒も持たずに、無謀にも山頂まで登り山小屋でカップラーメンを食べ、まともな登山者からは白い目で見られ、滑りながら降りてきたことを覚えています。

 

 こんな思い出だけで、山を好きになったとは思いませんが、40歳を迎え小学生の二人の子供とともに六甲山に時々登ったり伊吹山にキャンプに行き頂上まで登ったりしていたころに、会社の登山部から声をかけてもらい、仲間や子供達とともに色々な山に登るようになり、なぜか楽しくなり次の計画を立てては、山に行くことが待ちどうしくなって来ました、人それぞれ感じ方は、違うとは思いますが、みんなで出来た達成感や喜びの共有、それと上下の無い仲間との付き合いが出来たこと 、それときれいな水、澄んだ空気、雄大な景色が、私には山の魅力であります。

優しく我慢強い登山者

 

 そんな私ですが、人一倍体力も根性も無く、登り始めたころには、ほかのメンバーに、多大な迷惑をお掛けしました 、日帰りのハイキングや、一泊どまりの近郊での登山など、回を重ねるごとに、何かしら自信も体力も、付いてきたと錯覚し、初めての3泊4日北アルプス夏山登山では、それこそとりつきから5分もたたない内に、息が上がり、動けなくなりました、原因は至って簡単でしたいままでの山行では、1泊どまりまでで、荷物も少なく7〜8sでしたが、そのときは15sぐらいになっていたからです、中身についてはあまり、書きたくないですが、山野草と野鳥それと山の便利帖という本と、駅の売店で買った白桃とみかんのゼリーが二つ、その他おいしそうなお菓子類、それに山小屋で乾杯用の白ワインがビンのまま・・・恥ずかしい事ですが、最初の夏山では、修学旅行気分で荷物の重量も考えず、45Lのバッグに入るだけ詰め込んでいました、そのときの事をいまだに冷やかされますが、そのときにメンバーのみんなが、分担して荷物を持ってくれたことは、今でも感謝しております、っまその日のお昼ご飯には、ゼリーもお菓子も平らげて、その後は、迷惑もかけず無事に夏山は完了したのですが、その時の教訓を活かして山野草と野鳥はその時期に見れるところをコピーで持っていき、お酒は飲める分量だけをアルミ容器に入れていく、山の便利帖は頭の中にもって置くということを忘れないようにしています、本当にその節はありがとうございました、もう五年経ったのだから、許してね・・・

 

 じつはその最初の夏山の時も感じていたのですが、山小屋と言うところはなんと環境の悪いところなんだろうと、こんな環境のいいところに建っているのにと、そのギャップに驚かせられました、スキーやテニスで利用するペンションとは、建っているところの条件が違う事は当然解りますし経営の理念が違う事も理解できます、しかし布団は小さくジメジメでひき敷きっぱなしで通路は無く、足と足が重なり合う所はざらで、さらに酷い所は、1M足らずの布団に2人寝かせるところも(それも見ず知らずの人でも平気です) 、この状態で何か事故でも遭った時には必ずパニックになると思います、例えば山頂近くに建っているので、建物の高さを抑えて、中2階のような屋根裏部屋に少ないはしごで昇降させている山小屋や、増築続きで迷路になっている山小屋、少しでも沢山の登山者泊める為にと敷地いっぱいに建てて入り口のすぐ前に崩れそうな崖のある山小屋など、山に登っている人は少なからづ気になっている事と思います。

 

 最近登った所であっ た事ですが、予約をしていた山小屋に前日の夜、麓の駐車場から連絡して山の天候と宿泊の人数を確認したところ、明日はすいています天候も回復して良くなるようですとの事でした、しかし翌朝は小雨混じりでした、っま山はこんな物と気を取り直して登りだし一件目の山小屋前で少し早めの昼食を取り小休止している所に、1日目の宿泊予定の次の山小屋から縦走してこられた登山者と会いました。

 

 その方たちはその山小屋の混雑振りを話されていたので内容を伺いましたところ240名のところ本日は満員ですが明日は300名以上になるので今日はましですよとの事、しかし狭いところで重なり合って寝たので疲れが取れなかったとの事、ここからは2時間程度の縦走又、その次の山小屋までは6時間なので空いている手前のこの山小屋に泊まろうかと話合い、手前に泊まりました。

 

 確かに空いていて大部屋はガラガラなのに6畳の小部屋に8人分の布団の引いたところに案内されました、又その夜の天気予報を見てがっかりしました、予報では前日からの秋雨前線が活発になり明日は雨でしょうとの事でした、翌日秋雨前線の雨の中1時間ほどの、1つの峰でこの先足場の悪い岩場や鎖場の事を考え て下山することしました。

 

 泊まった山小屋と予約していた山小屋、この2軒の山小屋はどちらも同じ経営者です、何かおかしくないでしょうか、天気予報に関しては、私たちの確認不足と自然の事なので仕方ないと考えますが、前日の夜に確認した宿泊数は、まったくのでたらめです、勘ぐり過ぎかも知れませんが登ってしまえばどちらかに宿泊になると思ったのでは無いでしょうか、私たちのスケジュールはその人数を聞いたことで変わった事は確かです。       

山小屋はどんな場所

 

 よく聞く話しですが、山小屋では予約なしで登ってくる登山者の為にその人の寝れる場所を空けておく為に、つめて寝ていただいているといいます、とてもいい話だと思っていま した、しかし予約も無く登る登山者 達や、大人数で無ければ予約は要らないと言う山小屋、それとあまりに人気があり人が集まりすぎて環境保護の為に完全予約制にしていると言う山小屋・・・ 山小屋は出会いの場であり、憩される所と考えます、広大な自然と人とのふれあい仲間や出会った人たちが別け隔てなく知り合えて、安全を願い次の目的地に向かう、けしてすれ違うだけの交差点ではなく、人々が集う交流点と思います、それには登山者の責任や山小屋の責任を明確にする事が大事だと思います、登山者の目的は様々ですが基本にあるのは安全のはづです、山小屋の運営は偶に利用する登山者が及びも付かぬ事と思いますが、気持ちの伝わらない環境では改善は望めません、安全が基にあり行きたい所に合わせた技術と経験を持ち合わせた登山者、その人たちを受け入れるホスピタリティを常に考えた山小屋、両者が増えることを願っております。

 

tabasa_papa@yahoo.co.jp

 

 

 

2001年 夏山

2002年 夏山

御在所岳

 比良山

大台ケ原

 

2002年末恒例年忘れ余呉湖ワカサギ釣り

最終更新日 : H14,10,14日付

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