タンポポのような子

(悲喜こもごものワンとの暮らし)mamatabasa

犬の病気にも報告として書いておりますが、コッカーズのアーニー(2歳)は

若年性白内障です。

Aコッカーには多い病気で、家の子は大丈夫だろうと思っていたら

1歳10ヶ月で発症しました。

 

右目だけ白内障で、網膜はまだ大丈夫・・・

と経過観察していたところ、

4月中旬にとうとう左も発症してしまいました。

 

はじめはうすく白濁しているだけでしたが、

症状はみるみる進み、

診断を受けてから2週間ほどで、見えなくなってしまいました。

 

絶望的な気分になってしまい、アーニーの顔を見るにつけ

「私の顔は見えてないんだ」と、

しょっちゅう泣きそうになる毎日。

 

アーニー自身も、今まで通り見えないため、家の中でも静かだし、

椅子の足にぶつかったり、

おやつやご飯も匂いをかいで探さなければならず、

非常にとまどっていました。

 

一番胸をつかれたのは、

外に出て(あんなに外を楽しそうに走っていたのに)

怖くて固まって動けなかった時でした。

 

残酷な事実で、若ければ若いほど症状は早く進行します。

けれど、若いという事は順応するのも早いのでした。

見えないといっても、真っ暗闇ではないようで、

また聴覚も臭覚も人間よりはるかに優れています。

 

私たちの悲観を吹き飛ばすように、

どんどん行動は普段どおりになってきました。

私はよく「我家で一番ワルイのはアーニー」と言ったり書いたりしていましたが、

イタズラしないでじっとうずくまっているアーニーを見るのは、

つらかった・・・

 

光が眼球内で乱反射する為、

晴天の日には眩しくて目を開けていられないのも、

かわいそうでした。

 

でも犬は人間のように

「私だけ、なんでこんなめに遭うんだろう」なんて、

うらんだり悲しんでいないと思います。

 

たしかに犬も悲しみは感じると思いますが、

もっともっと強い前向きな明るさがあります。

 

最初の何日かは、戸惑いでうずくまっている事が多かったのですが、

しだいにミュウと遊んだりタバサとケンカもするようになり、

私たちを安心させるかのようでした。

 

今では、

家の中でものにぶつかる事もほとんどなくなり、

犬の感覚の鋭さに驚かされます。

 

呼べば嬉しそうに駆け寄ってくる、

お気に入りのボールで遊ぼうよとくわえて来る、

そして大好きな

ミュウ姉ちゃんと取っ組み合いをする・・・

今まで、当たり前だった行動を見ていても、

また違う嬉しさを感じます。

 

そして散歩の時も、タバサと2頭引きリードなら、

思いっきり走るようになりました。

 

タバサもミュウも、

アーニーが見えていない事を判っているようです。

 

玄関先の薄暗いところで、うずくまっている横に、

ミュウがそっと寝ているのを見た時、

そう思いました。

 

優しい仲間がいるっていいな・・・

犬って生き物は素晴らしい・・・と。

 

最近はイタズラも再開し、叱られるのもしょっちゅうです(笑)

叱りながらも、やっぱりワルワルしてる方が安心!

なんて思ってしまう私。

 

娘は「アーニーはいつも、何をするにも嬉しそうで、一生懸命だから大好き!」

と言います。

アーニーを表現するのに「天真爛漫」この言葉がピッタリなのです。

 

この子は見えないからと、特別扱いをしないようにしよう。

出来るだけみんなと一緒に遊びに行ったりしよう

(あまりに多い人込みとかは別ですが)

そう思えるようになりました。

 

これからずっと病院とは縁の切れない生活ですが、

がんばっていきたいと思います。

悲観せず、天真爛漫に生きるアーニーに、

たくさん素晴らしいものをもらったような気がします。

 

いつもニコニコしていて、遊んだりイタズラしたり、幼く可憐なタンポポの花のよう。

そして、みんなに笑顔のフワフワ白い綿毛の種を飛ばします・・・

2004.06更新