〜コメント〜前作は雪山のペンションで閉ざされた中での連続殺人を推理する、現実的にありそうな舞台設定とリアルな 心理描写が売りで、そこに絶妙のBGMと効果音が加わり、選択肢に寄ってストーリーが幾つも分岐するなど、 サウンドノベルの完成形と言っても過言ではない完成度でした。 そのかまいたちの夜の続編となれば、しかもプロ作家や作曲家等を起用し、大々的にプロモーションし、大 金をつぎ込んで開発したとなれば否が応でも期待が高まります。
…しかし、いざ蓋を開けてみれば予想を裏切る大どんでん返し。
…それでもまだ本編ルートがしっかりしていたものなら納得しますよ。肝心の推理物としても無茶苦茶。特
に酷いのが、この島に稀に起こる現象で館の2階か3階まで海水につかる時期があり、それを利用して泳いで
他人の部屋に忍び込んだ、と言う場面。架空だからといってご都合主義ですか?非現実にも程があるぞ。
さて、チュンソフト製のゲームはことオマケに力が入っており、ゲーム本編以上のボリュームがあります。
今作も同様で、おまけのシナリオ数は前作以上。しかし前作とは違い大半が奇怪で猟奇的
な生理的嫌悪感を感じるものばかり。ゾンビだ虫だ牛の首だ、トチ狂って殺し合い、怨霊に呪い
殺されるは、等など普通の人ならまず引きます。何故ここまでグロティクスに徹する必要があったのか?製
作者は精神が病んでいるのではないかと思えるぐらいでした。 ものの見事に全てを裏切ってくれた、前作のファンにとっては最低な作品ですが、グラフィックが綺麗な点 と前作脚本の我孫子氏担当のわらび唄編が面白かったのが救いかな。またシステム面での完成度は高いだけ に余計に口惜しく感じます。 軽い推理物が好きな人やグロティクスな表現が大丈夫な人には楽しめる作品だと思います。が、前作のファ ンにはおすすめ出来ません。思い出は綺麗なままの方が良いでしょうから。
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