同名のライトノベルを題材としたゲーム。ですがにわかロードスファンの自分にすらこれはおかしいぞと思
える部分がちらほら見受けられました。
まず、邪神戦争の中期から後期が舞台なのにカーラがウッドカーラではなくレイリアカーラであること。
この時点で既に間違っています。他に、主人公の赤髪の傭兵=ベルドなのにパーンもディードもスレ
インも、そして元ベルト親衛隊隊長のアシュラムやマーモ評議会のバグナード、ルゼーブ、ショーデルまで
もがベルドだと気が付かないは、マーモ評議会員は原作と性格がまるで違いただの子悪党に成り下がってい
るはなど、とことん原作を無視してくれています。何故かおまけのロードス辞典は原作通りですが…。
ストーリー内容が内容だけにロードスファンには少々厳しいものがありますが、ゲーム自体は非常に面白い。
今作は良くも悪くも自由であり、自らの行動一つでどうとでもなる自由奔放さがオールドゲーマーにはたまら
ない。例えば強敵がいるエリアにも最初から行けるため間違って進み容赦なく袋叩きにされる事が結構ありま
す。しかし=理不尽には感じません。手持ちのアイテムや装備品、また今作の目玉システムであるミスリルと
ルーン文字の組合せ次第で様々な戦略がとれ、それらを駆使すれば対抗手段が見つかる場合がありますし、駄
目なら駄目で逃げればよい話。
一見不親切ですが、だからこそゲームの過程はユーザーの好き勝手に出来る自由さが生まれた訳で、近年ストー
リーをなぞるだけのゲームとは一線を画する、まさに「ゲーム」と呼べるに相応しい内容となっています。
他の面もよく出来ており、グラフィック、サウンド共に良い具合でマーモ島やモンスターのおどろおどろしさが
見事に表現されていますし、モンスターが画面にはちきれんばかりに出てき襲い掛かってくるあの臨場感は今作
ならでは。
不満点は、ゲーム中の不具合(先に進めなくなるバグなど)と、いつでも何処でも回復薬の補充が可能な事ぐらいでしょうか。
些細な事には寛容であるマイリー神のようなロードスファンや、硬派で歯ごたえのあるアクションRPGが遊びた
い方にはオススメの作品。