※このページに書いてある内容は、管理者の曖昧な記憶を頼りに、独断と偏見で書かれたものです。一方的
な苦情等は受け付けません。
考察対象は基本的に映像作品です。
Z時代のカツについて
第二回目はZ時代のカツ。何故だと思われるでしょうが、Z時代のカツは巷での評判がすこぶる悪く、
なかでも某ゲームの四コマなどカツに対する扱いの酷さが取り分け目立ちます。
何故、彼はそこまで嫌われるのか、そもそもカツはそんなに嫌な奴なのか、と疑問に思い至り今回カツを
考察してみようと思った訳です、はい。
今年になって改めてブロードバンド配信でZ全話を視聴しましたが、確かに彼は自己中で命令違反はなんのそ
の。カンにさわります。エゥーゴと言う軍属はどうなってんのと問い詰めたくなる気持ちもわかります。
しかしそう言えばガンダムシリーズの主人公は皆どうなってんのな行動を取っていますよね。カツだ
けをとやかく言うわけにはいかんのですよ。
ではカツ自身の行動について検証してみます。
初登場時のカツはアムロとの再会でした。カツにとって少年時代に見たアムロは英雄に見えた事でしょう。
そしてその思いはホワイトベースから離れ時間が経つにつれ過大評価されていったと思います。しかし再会
したアムロの落胆振りはカツの憧れである英雄とはかけ離れた存在だった。そんなアムロを見ればそりゃ口
やかましく問い詰めたくなります。
次にカラバに参加したカツはカミーユにライバル心を抱く。自分の実力を見せつけようとマーク2を無断使用
し出撃。しかし大した戦果は上げられずアウドムラの皆に多大な迷惑をかけることになった。その事を指摘
されても反省の色が見られない。流石にこれはカチンと来ました。軍属の自覚がまるでない。
しかし上記で述べたとおり歴代ガンダムの主人公たちも好き勝手に行動する場面が何度もあります。その観
点で考えるとカツだけをとやかく言う訳にもいきません。少年として見ればカミーユに対する対抗意識も十
分に理解できます。
作品中、カツは思春期の反抗的な性格をカミーユ以上にダイレクトに表現しています。そこが不快であると
同時に人間的魅力もあると思うのです。子憎たらしいガキの時代をほとんど誰もが一度は通る道なのですか
ら。
そしてカツを語る上で外す事の出来ない、カツの人生を狂わせてしまう原因となった女性、サラ=ザビアロ
フとの出会い。
サラに出会った時のカツはおそらくニュータイプとして開花していた時期だと思われます。それは年齢もと
もなって精神的な影響を一番受けやすい時期であると言えるでしょう。そんな時期に同世代の女の子であり
そしてニュータイプであるサラに出会い、カツはサラに惹かれてしまう。そしてサラもカツに惹かれる事に
なる。
ここで注目したいのは、このパターンはアムロとララァの出会いとと共通している事です。敵味方に分れな
がらニュータイプ同士共感し、そして男女としても意識しあう。しかし、アムロとララァの出会いとは決定
的に違う点があります。
ララァの場合、アムロと出会う前から慕う男性が居ます。もちろんシャアの事です。シャアはララァを女性
として深く愛していました(ややマザーコンプレックスも含まれてはいたが)。シャアがララァを戦場に駆り
立てたとアムロは指摘しましたが、ララァはシャアへの愛情もありますが、軍への恩返しでもあり、自分の
能力を客観的に評価し、自分が戦場に出るのも自身の気持ちの上で決めています。
サラの場合、カツと出会う前からシロッコと言う男性を慕っています。しかしシロッコはサラを愛してはい
るが、それは女性としては理由の一つに過ぎず、ニュータイプとしての才や手駒としての使い勝手のよさ等
様々な理由からであり純粋な愛ではない。当のサラ自身はそんなシロッコの思惑を正しく認識せず、純粋ゆ
えに自分の才を見出したシロッコを愛以上に崇拝してしまっている。ここがララァと決定的に違う。そして
カツはもちろん、カミーユもその事を非常に危険視していた。
アムロにとってのララァはニュータイプとして有り様であり理想の女性であった。ララァがシャアを慕うの
もある程度割り切れていた。
カツにとってのサラもアムロのララァとの境遇に近いが、シロッコは黙認などできる人物ではなかった。そ
んな危険な人物を崇拝しているサラを救い、自分に気があるなら自分の元に来させたい。そしてカツは必要
以上にサラに固執する事になってしまう。
これはニュータイプとして、思春期の少年として当然の心理です。傍から見ていてもシロッコよりカツの元
に居る方がサラにとって幸せと思えますから、カツの考えに同意できます。(カミーユに任す事も出来まし
たが、特に惹かれあう当人同士で解決させる方が良いでしょう。)
また、もしカツとアムロの立場が入れ替わっていたとして、おそらくアムロもカツ程過激ではないにしろ、
サラのために奮闘すると予想されます。そう考えればカツを一方的に責める気にはなれないですよね。
命令違反を犯してまでサラを逃し、サラを助け、サラを説得する。そんな一途なカツにサラも応えていた。
しかしサラをシロッコから自分に振り向かす事は出来なかった。ならばとカツはシロッコを倒さんとアクシ
ズのグワダンに乗り込み、暗殺を試み、ハマーンとの戦いに必死なシロッコを背後から撃ちもした。そして
その銃砲がシロッコを庇ったサラを貫きサラの命を奪う事となってしまった。皮肉にもサラは死んだ事によ
りその精神をシロッコから開放するきっかけを掴んだ。
そしてカツの最期、サラはついにカツの想いに応え、カツとサラは一つになることが出来たのだった…。
カミーユとシロッコとの戦いのさなか、サラはシロッコを慕いつつもカミーユに、カツに味方をした。サラ
を救い出す事が出来たカツは死してなお幸せだったのかもしれない。
他人を、軍を巻き込んでのサラの争奪戦を繰り広げたカツ。一個人の勝手で周に多大な被害を齎した点では
弁解の余地も無く、批判されても仕方が無い。しかし彼の心情は理解できます。カツの心情を踏まえた上で
皆さんは問答無用でカツを叩きますか?自分には出来ませんね。
さてさて真面目腐った話しが続いたので気分転換がてらにここらで話題を変えて、カツのパイロットとして
の一面を見てみる事にしましょう。
初期はMSを扱うだけでもヒーフー言ってたひよっ子でしたが中盤になるとネモを使いこなしていたし、ティ
ターンズがコロニーに使おうとしたG3ガスを撃破する大金星を揚げている。後期ではGデフィンサーもそれな
りに乗りこなしていた。
シロッコとハマーンの戦いでは、ハマーンとの戦いに集中していたとは言えシロッコの背後を取り、サラが
庇わなければシロッコを倒せていた。(ハマーンとシロッコの戦いと言う折角の見せ場に横槍を入れた事につ
いて文句を言いたくなるかもしれませんが、これは三つ巴の戦争中であり、戦いに集中しすぎる余り周囲に
対する警戒を怠ってしまった両者が悪い。あわよくばシロッコを倒せていたのだからむしろカツの行動は誉
めるべきでしょう。)
ハンブラビに乗ったヤザンの裏をかき、後退しGディフィンサーのバーニアで攻撃するなど意表をついた攻撃
もしている。事実ヤザンは一瞬窮地に追い込まれた。まぁ、その後調子に乗ったせいで取り返しのつかない
事になってしまったのですが…。
カミーユ等の一流パイロットに比べれば及びもしないが、カツのパイロットとしての能力も決して侮る事が
出来ないレベルだと思います。
今回のまとめ。小憎たらしい事に変わりは無いがカツはそこまで酷いキャラではない。
カツという人物はもう少し自分を制御する事ができれば別の道が開け活躍も結末も変わったのかもしれませんし、
人気も世間の評判ほど酷くなっていなかったでしょう。
「若さ故の過ち」まさしくカツを表すのにぴったりな言葉ですね。
シャアについて
U.C系ガンダムと言えば語らずにはいられない人物、シャア=アズナブル。そんな彼について色々検証してみ
たいと思います。
□シャアはロリコン?
のっけからこんなお題で申し訳ないのですが、ガンダムを題材にした漫画等でよくシャアがロリコン扱いさ
れているのを見かけます。何故、シャアはロリコンの烙印を捺されてしまっているのか。そもそも彼は本当
にロリコンなのか。シャアがロリコンと誤解されそうなシーンを挙げると、
逆襲のシャアでのクエス、アクシズ時代のハマーン、あとはミネバぐらいでしょうか。
まずクエスに対してはニュータイプとしての才能とシャアを慕っているという感情を利用しているに過ぎず、
サイコミュを制御できる兵としか見ていない。無論、クエスに特別な感情など持ち合わせていません。
ハマーンに対しては、利発で高いニュータイプ能力を持った彼女に希望を見出し、シャアの理想に適うアクシ
ズの指導者となるようあくまで道を示す立場を取っているだけであり、これまた恋愛感情は持ち合わせている
ようには見受けられません。
ミネバに対しては、ザビ家への復讐対象としては見ておらず、立場的に将来アクシズやジオンの代表になる可
能性が高いので、ザビ家のような偏見の塊の危険思想にならぬよう保護育成を目的としていました。
当然邪な感情は持っていません。
うーん、どうもロリコン趣味とは思えませんね。むしろララァの母性に激しく惹かれ、ずっとそれを引きずっ
ているので、あえて俗っぽく言うと真逆のマザコンでしょうか?
(※小説版「ベルトーチカチルドレン」でレズン等ネオジオン兵にロリコンと認識されている件についてご指摘
を受けましたが、ベルトーチカチルドレンでのシャアが実際少女趣味なのかどうか分らないので、勝手ながらこ
の件の考察は控えさせて頂きます。)
ドラゴンボール考察でも書きましたが、キャラの設定を逸脱し捏造しコケにしくさるのは余り感心しません。
笑い目的でも程ほどにしておきましょう。
□シャアはなんちゃってニュータイプ?
はい、本題です。「なんちゃってニュータイプ」疑惑があるシャアですが、はたして本当にそうなのかどうか
を考察してみましょう。
まず初代からですが、当初のシャアは連邦、ジオンの両サイドからニュータイプと噂されていました。しか
しそれは彼の著しい戦果を表現する為の名称に過ぎなく、この時点ではニュータイプとしての素質がある思
わせ振りではあったが覚醒には至っていません。凄腕パイロットと言った所です。
シャアがニュータイプの可能性を見せるのはアムロとララァが精神の繋がり状態中、頭に閃光が走り
「奴との戯言は止めろ!」と言った場面です。アムロとララァが精神上でのやり取りを口に出しており、そ
れを無線で聞いていたシャアが口を挟んだとも取れますが、「戯言」とは「たわむれにいう言葉」です。精
神上でのアムロとララァのやり取りを感じ取ったからこそ戯言という表現をしたのではないのか。だとすれ
ば、それを感知したシャアもニュータイプの可能性はあると思われます。
次にそれらしき場面は、アムロ、ララァ、シャアの戦いに加わったセイラをシャアが攻撃しようとした時、
ララァが「いけません大佐!」と叫ぶと同時に発した閃光をシャアが瞬時に受信し攻撃を逸らした場面。
この時のシャアはセイラのコクピット寸前までビーム薙刀を持っていっていましたが、ララァの念を直感し
体が即座に反応し攻撃を回避しています。これもニュータイプ能力と捉える事が出来ます。
最後にア=バオア=クーでのアムロとの最終決戦。まずシャアが「見えるぞ。私にも敵が見える!」とアム
ロを感知した点。次にジオングのサイコミュを操作した点、そしてアムロに「貴様だってニュータイプだろ
うに!」と言われた点。どれをとってもシャアがニュータイプに覚醒したと言い切れる説得材料と言えるで
しょう。
Zではエマやジェリドなど非ニュータイプと位置付けされているキャラまでニュータイプらしき直感能力を
持っている等判断材料がややこしいいのですが、カミーユの素質を見抜き、アムロの存在や遥か遠く離れた
シロッコのプレッシャーを感知するなど、その高い感知力からニュータイプと言えるのではないでしょうか。
ただ、作品内でシロッコがシャアに対し「ニュータイプの成り損ない」と評しましたが、シャアは一年戦争
でニュータイプに覚醒はしたものの、Z全体を通して一年戦争時からニュータイプとして進歩していないよう
に見られます。要するにニュータイプの入り口で立ち止まったままなのです。そんなニュータイプとして半
端な能力だから天才的ニュータイプのシロッコからは「成り損ない」と見えたのでしょう。
最後に逆襲のシャアです。この時シャアはニュータイプ用の兵器ファンネルを使用しています。またアムロ、
クエス、ギュネイ等ニュータイプや強化人間を感知してもいますし、ずば抜けた戦闘能力とニュータイプと
しても常識外れの感知力を持ち合わせたアムロと互角近くまで争った点も踏まえれば、シャアはニュータイ
プだと断言できるでしょう。
上記の理由からシャアはニュータイプに確定です。ただ、シャアには迷いのようなものがあるためかニュー
タイプとして先に進む事が出来ず、その為他のニュータイプからは一歩二歩後れを取ってしまった。
ニュータイプ能力はパイロットとしての腕にも大きく影響し、他の主要ニュータイプと比べると戦果が芳しくなく、
戦闘シーンが目立つガンダムと言う作品だけにそれがシャアのニュータイプとしての能力までも過小評価されてしまい、
ついには非ニュータイプ論まで出てきてしまったと自分は思います。
□シャアのパイロットとしての腕は?
シャアと言えば強い…はずなのですが、よくよく考えてみるとシャアは常に高性能MSに搭乗していたでは
ありませんか。そりゃ強くて当然。苦戦する方がおかしい。故にどの作品でも大抵は高性能MSに乗っていな
がら苦戦していたシャアはへたれである。と結論付けるのは早い。
確かにシャアは高性能MSに乗りつづけていたが、高性能MSは扱いが難しいと設定されている場合が多い。有
名なシャア専用ザクは高機動力だが制御が非常に難しく一般兵ではまともに動かす事の出来ない代物です。
そのシャアザクで連邦の戦艦を、新型MSを撃破、翻弄できたのはシャアの腕だからこそ。他のシャア専用MS
でも連邦軍を圧倒しているし、スペックに大差があるガンダム相手に毎度善戦。同性能のゲルググでの戦闘でも
ニュータイプに覚醒したアムロ相手によく戦っています。
(ジオング対ガンダムでは一方的に押されていましたが、ニュータイプに覚醒したばかりのシャアとニュータイプ
能力増大中のアムロ相手では分が悪すぎます。)
一番問題なZ時代。
クワトロ(シャア)は登場初期こそ高性能機のリック・ディアスと百式に搭乗していますが、
爆発的進化を遂げつづけるティターンズ、連邦、アクシズ軍の高性能な可変機・ニュータイプ専用機が
次々と投入され、それらと比べるとリック・ディアスも百式も既に時代遅れの旧型と言わざるをえません。
そんな百式に乗り続けたにも関わらずグリプス戦役を戦い抜き、メールシュトローム作戦では百式とは比べ物にならない高性能な
ニュータイプ専用のハンドメイド機に乗ったシロッコとハマーン相手に最後まで生き延び、コロニーレーザーの防衛に成功したのは
クワトロの腕前が良い証拠。シロッコは間違いなく全力で殺しにかかり、ハマーンも複雑な心理状態ですが本気です。
この二人相手に百式で撃墜されないパイロットなどガンダムワールド全てを見回しても非常に限られているでしょう。
ところで劇中よく見ているとクワトロは敵MSに何度も着弾させていますが、百式のビームライフルの出力が
低いのか、一撃で倒せる部分に当てているのに殆ど効果無しな場合が多い。しかしゲーツのバウンドドッグにはどう言う
訳かビームが貫通しています。見ている限り色意外にロザミア機、ジェリド機とゲーツ機のバウンドドッグ
に差は感じられません。これは単に制作スタッフがその場に合わせてビームライフルの威力の強弱を変えて
いただけと考えられます。クワトロと愛機百式は不幸にもその煽りを一番喰らってしまった訳で、
そのせいでクワトロが弱く見える原因の一つとなっているのではないでしょうか。
逆襲のシャア時では、アムロのνガンダムはギュネイのヤクトドーガとクェスのαアジール(+ギラドーガ)らを同時に相手に、
一瞬危機的状態になるもほぼ圧倒しνガンダムへの接近を許しませんでしたが、サザビーとのタイマンバトルは
お互いファンネル同士を相殺、ライフルからサーベルまで全て使いきり、殴り合いの格闘戦まで持ちこんでいるのは
流石といか言い様がありません。
ギュネイはジェガン数機をなぎ倒し、ケーラを圧倒し、核ミサイルを感知し全てにファンネルを命中させる程の腕の持ち主の
完成された強化人間であり、クェスはサイコフレームが無くともファンネルが使えるほど超高レベルのニュータイプ能力と
天性のパイロットのセンスの持ち主です。そんな彼等を寄せ付けなかった鬼神アムロと互角の戦いを演じた「赤い彗星」の腕は
まさしく超一流のパイロットと断言できます。
結論。シャアは強い。
とまぁ、シャアについて色々語ってみました。自分としてはシャアよりアムロが気に入っているのですが、
シャアと言う人物が居るからこそのU.C系ガンダムであります。また出生、生立ちなど話にするネタが尽きな
い人間的魅力ももっていますからね。その辺は他のサイトで採り上げられているのであえて追求は致しませ
んが。そんなこんなのガンダム考察第一回目でした。
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