糖尿病が進むと、糖尿病の他に恐ろしい病気が出てきます。
これを糖尿性の合併症といいます。
<合併症の主なもの>
★脳梗塞:血液がシロップ状態になり、流れが悪くなって、塊が出来て脳の細い血管に
詰まってしまいます。詰まってしまうとその先の細胞が死んでしまい、
脳梗塞が起こります。
★心筋梗塞:脳の場合と同じく、心臓の動脈に血栓が詰まり一部の心筋に血液が
行かなくなってしまいます。
軽い場合は一時的な痛みの狭心症になります。
★糖尿病性腎症:
初めは尿に少量のタンパクが時々出ますが、病気が進行すると
目に見えるような白濁したタンパク尿が出ます。
また顔面や手足にむくみが出て、
重症の場合尿毒症(腎不全)になり、人工透析が必要となります。
★白内障:
普通は、加齢などの老化により、目のレンズ部分が白くなり見えなくなる
病気ですが、糖尿病でもかなり多く進行もずっと早くなります。
★網膜症:
糖尿病が悪化すると、血液の流れが悪くなります。
そうすると眼底(網膜)に出血が起こり、失明にいたったりします。
★しびれや痛みなどの神経障害:
糖尿病になると、手足のしびれや神経痛を大なり小なり起こします。
★すぐ悪化して治りにくい皮膚病:
血液がシロップ上になると、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、
すぐ炎症を起こしやすくなります。また化膿や炎症が悪化しやすく
回復力も弱く長引きます。
普通糖尿病になってから、5〜6年で神経障害が、7〜10年で網膜症が現れ
15年程度で腎症が出現します。このように糖尿病は、治療せずに放置すると
大変恐ろしい病気ですが、しっかり治療し状態を良好にコントロールすれば、
糖尿病でない人と同じ健康な生活が送れます。
糖尿病の治療の基本は、1・食事療法 2・運動療法です。
1・食事療法 (肥満の解消も必要)
★血糖値の上昇を抑制する 根っ子の植物
ごぼう、にんじん、レンコン、ヤマイモ、タマネギなどの土の中から取れる
植物をしっかり食べましょう。
全般に低カロリー食品で、ビタミン・ミネラルと共に植物繊維を含んでいます。
★細胞の老化を抑制する 種子の植物
ゴマ、アズキ、クロマメ、ダイズ、アーモンドなどには植物の生育に必要な
栄養がバランスよく含まれています。
★細胞の働きを増強する 海の食物
魚、海草類、貝類などミネラルいっぱいで、貴重なタンパク質の補給源とも
なります。
特に、牡蠣は、糖尿病食としても最高です。
牡蠣は、完全栄養食(海のみるく)とも言われますが、糖尿病の改善に
必要な栄養も入っていて、特に亜鉛やタウリンをズバ抜けて多く
含んでいます。
糖尿病の人では、1日150gの生カキを2週間も食べ続けると、
たいがいの人で血糖値の変化が確認できます。
試してみてください。
2・運動療法
中程度の全身運動
(50歳代であれば脈拍が1分間に110程度になるような運動)
を毎日30分以上行うと効果があります。
食事療法および運動療法で血糖値が十分に正常化しない場合、
飲み薬やインシュリン注射が必要になります。
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