生理のしくみ
思春期になり、卵巣の機能が充実してくると、定期的に卵子が成熟し排出される
ようになります。これを排卵といいます。
排卵が起きると、受精卵が着床しやすいように子宮の内膜は厚くなって妊娠に備えます。
妊娠しなかった場合、厚くなっていた子宮の内膜は、はがれて体の外に排出されます。
これが生理です。
こうして卵巣の機能が衰えるまで(更年期)、妊娠しない限り、排卵→生理を繰り返します。
視床下部、下垂体、卵巣系から分泌されるホルモンによって排卵→生理のサイクルを
周期的に行っています。
生理の異常
1・気質的な異常
子宮内膜症、卵巣嚢腫など、子宮や卵巣に形態的な病気や奇形がある
ホルモンを作り出す器官の病気
2・機能的な異常
形態的な異常はないが、心理的・精神的によるホルモンバランスの異常
3・全身性の病気
糖尿病、腎臓病、高血圧、肥満、貧血など
以上3つに分けることができます。
子宮内膜症の症状
痛みを伴わない場合と痛む場合があり
痛まない場合は、不妊症です。25歳以上の女性における主な原因が子宮内膜症
だといわれています。
痛む場合は、月経時に痙攣状の激しい痛みや骨盤痛といった症状が現れます。
周辺臓器の癒着が進むと、臓器同士が引きつった不自然な状態になり、
臓器の動きも悪くなるので、下腹部痛や、性行為の際に痛む(性交痛)原因に
なることもあります。
※ 癒着:炎症などが長期間続いたままだと、くっついてない
部位がくっついてしまう事
子宮内膜症とは?
成人女性の10人に1人は、子宮内膜症に罹っているといわれています。
本来、子宮の内側にのみ存在する子宮内膜細胞が、その部分以外
(子宮筋層内や子宮以外の場所)で発育、増殖する病気です。
子宮内膜症の組織は、正常な子宮内膜と同様に、卵胞ホルモンによって増殖し、
月経を繰り返しながら増大します。
最近、子宮内膜症が増えてきたと言われています。
その理由としては、患者さん自身の関心が高まったこと
診断技術の進歩により、受信率や発見される件数が増えたこと
晩婚化、小子化、初経年齢の若年化などにより一人の女性の経験する
月経回数が増えていることも一つの要因になっていると考えられています。
子宮内膜症の治療
薬物療法と手術療法と二つの組み合わせの療法があります。
薬物療法:鎮痛剤、ホルモン療法
手術療法:保存的手術(幹部をだけを電気メスで焼きる)
根治手術(子宮、卵巣を含めて病巣を取り出す)
生活上の注意
子宮内膜症の治療には、長い時間がかかる場合が少なくありません。
ホルモン療法をした方も経過を2〜3カ月に一回観察し、再発したら
また治療が始まります。
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