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 この世をば しばしの夢と 聞きたれど 
 
 おもへば長き 月日なりけり



  作者 : 徳川慶喜(江戸幕府第十五代将軍)


  意訳 :
   これで、とうとうこの世ともお別れだ。人生とは
   短い夢のようなものだと聞いていたが、振り返って
   みればずいぶんと長い年月を生きてきたものだ。



  解説 :
   徳川慶喜の辞世の句。徳川慶喜は言わずと知れた
   江戸幕府の第十五代将軍。大政奉還を行い、政権を
   天皇に返上した慶喜のその後の人生については、
   実はほとんど語られることがない。「朝敵・逆賊
   として処刑されたのでは?明治になってからほどなく
   してこの世を去ったのでは?」と思っている人も
   少なくないだろう。ところがどっこい、慶喜は明治
   時代を見事に生き抜き、大政を奉還した明治天皇が
   この世を去り、元号も変わった大正2年にようやく
   その長かった人生に幕を閉じた。表舞台を去ってから
   実に40数年、人知れずひっそりと趣味を謳歌して
   余生を過ごしたといわれている慶喜にとって人生とは、
   まさに思えば長きものだったに違いない。


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