トップページへ戻る

 受次て(うけつぎて) 国の司(つかさ)の 
 
 身となれば 忘るまじきは
 
 民の父母(ちちはは)



  作者 : 上杉治憲(鷹山)
  

  意訳 :
   藩主は民の父母(ちちはは)で、領民は子供である。
   父母は日夜子供の幸福を願い、子供の苦しみは
   父母の苦しみ、子供の喜びは父母の喜びである。


  解説 :
   江戸時代屈指の名君として知られている上杉治憲
   (鷹山)の句。治憲(鷹山)は戦国武将として名高い
   上杉謙信から数えて十代目の藩主ですが、治憲
   (鷹山)の先代重定の時代には藩の財政が完全に
   行き詰まるまでに陥りました。このような状態の中、
   もはや財政立て直しの方策もなく、万策尽きたため、
   重臣達は米沢藩の再建は不可能と判断し、ついには
   藩主重定も領地の幕府返上を決意するに至るという
   有様でした。これについては親戚筋の尾張徳川家
   から諫められ、取り止めとなりましたが、江戸時代に
   大名が財政窮乏のため、領地を幕府に返上しようと
   したのは、後にも先にもこの米沢藩のみであり、家督を
   継ぐ、治憲(鷹山)の前には未曾有の困難が待ち
   受けていたといえます。この和歌は十七歳で家督を
   継いだ日に治憲(鷹山)が詠んだもので貧しさにあえぐ
   領民の苦しみを一日も早く取り除き、国を挙げて藩の
   復興に全力を尽くそうとする決意を示したもので、
   これは治憲(鷹山)の終生変わらぬ念願でした。


心を打つ、美しい日本語のトップページへ戻る