以上が本ホームページのヒルクライムの記録と激坂の感じ方を比較し、どれくらいの坂が激坂なのかを考えてみた結果です。まとめると「激坂とは平均勾配13%以上の坂道である。ただし、勾配が10%〜13%程度の場合でも、緩急変化や疲労度により激坂に感じられることがある。」となります。
もちろんこれは私なりの感覚です。激坂の感じ方は個々人によって異なるのは言うまでもありません。では、一般的にはどれくらいの坂道を激坂と言うのでしょうか? この場合の一般的とは自転車を趣味にしている人たち一般という意味です。そこで、自転車雑誌の記事のなかから、坂道の勾配とその傾斜の様子や感覚などが記述された箇所をさがし、一般的に言うところの激坂について考えたいと思います。
ちょっと古いのですが、たまたま手元にあった『サイクルスポーツ 2003年10月号』をめくってみます。まず、編集部員のヒルクライムレースの参戦記、「九十九折りだよ人生は… 坂バカ草野の"ヒルクラ"日記」から拾ってみましょう。コース説明のなかで「序盤で最もきつい区間、8〜10%勾配が続き消耗させられる。」や「終盤の10%勾配。この写真は傾斜をわざと強調しているが、売り切れかかった脚にはこれくらいの上りに感じるのだ。」などの表現があります。これらから10%程度の勾配というのはかなりきつい坂ということがわかります。
次に、読者の投稿記事から。群馬県の妙義・榛名・赤城の三つの山を1日で走った記録「上毛三山をロードバイクで走破」のなかには「直線の上りはきついが、勾配は8%程度で問題なし。」「(ギヤの説明の箇所で)ワイドレシオになっていて、15%くらいの急坂まで対応する。」の表現がありました。つまり、この記事の投稿者にとっては、8%=問題のない傾斜、15%=急坂となるようです。
加えて、勾配の数値の明記はないのですが、「(榛名湖からの下り坂の様子を説明する箇所で)逆ルートで走らなくて本当によかった感じるほどの激坂である。」とありました。地図上で測ると、榛名神社から榛名湖までの勾配は12.5%でした。つまり12〜13%の勾配でも場所によっては激坂と感じているわけです。
その他には、ジャパンカップ(栃木県宇都宮市)のコース説明の記事中で「(登りのきつい2区間を例にあげて)ともに最大勾配10%以上で勝敗を左右する。」と解説しています。これを文字通りに読めば、プロ選手といえども、レース中の競リ合った状況下においては、10%以上の勾配は勝敗を分けるほどにきつい勾配というふうに解釈できます。
さらにヒルクライムレースの募集広告から。武尊(ほたか)ヒルクライム(群馬県片品村)の広告に「国内最大傾斜度への挑戦はヒルクライマーの醍醐味です。君は走りきれるか! 最大斜度20%!」の表現がありました。主催者側の文章なので、少しおおげさな気もしますが、20%=国内レースで最大の斜度(=激坂)ということになります。激坂とは書いてありませんが、国内最大斜度=激坂と解釈してもさしつかえないでしょう。このレースに出場した人に聞くと、最大斜度の箇所はあまりの急坂だったので、その人は押して歩いたとのことでした。
(※2005年11月、この武尊ヒルクライムレースに出場してみました。その時の様子はこちらで。)
これらをまとめると、勾配の数値と傾斜の感じ方の関係は表3のようになるかと思います。
表3 勾配の数値と傾斜の感じ方
| 勾配 | 傾斜の感じ方 |
| 8%〜10% | ややきつい |
| 10%〜13% | かなりきつい(場所によっては激坂) |
| 13%〜15% | 急坂または激坂 |
| 15%〜20% | 激坂 |