布袋寅泰。
布袋寅泰、と書いてホテイトモヤス、と読む。
(しかしあたしのパソコンでは「トモヤス」と打って変換しても
正確な漢字が出ないので、「トラヤス」と打って変換している。)
190cmの長身に極度の斜視、加えて怖そうなルックス。
声もハスキーで低い。
本人、「接客業には向いてないって高校生位で気づいた。」
とのこと。
早い段階で自覚できて何よりだったよね。
そもそものきっかけは、あたしが中学2年、母親と買物に行った帰りの車の中だった。
彼女がある男子生徒から貰ったというカセットテープを、
BGMとして流したのが全ての始まり。
母はいつも、
どこの馬の骨だか良くわからないガイジンの曲ばかり聴いている印象があったから、
最初はそういった類のカセットかと思いきや、カーステレオから流れ出したのは、
あたし好みのキメをバッチリ決めてくれるドラムに小気味良いギターのリフ、
スラング混じりの日本語の歌詞、当時のあたしにはセンセーショナルなメロディーライン。
しばらく一言も発せずに聴き入ってました。
「…これ、誰の曲?」
ようやくそう母に問うと、
「BOOWYに決まってるじゃん。ホテイ君とヒムロだよ。」
そう言われても、BOOWYもホテイ君もヒムロも、
人名なのか曲名なのかバンド名なのかすらハッキリ理解できず、
でも、「だから、誰それ?」なんて聞くのは何だか悔しくて、
「ふうん。」なんてすまして窓の外を眺めていた。
家に着く頃にはすっかりその曲の数々にハマってしまったので、
こっそりカーステレオからそのカセットテープを抜き取り、自分の部屋で密かにダビングした。
しめしめ、これでBOOWYとやらを堪能できる。。。。
今思い返すと、
そのカセットは多分母にくれた男子生徒がオリジナルに編集したベストになってたんだよね。
「ホンキー・トンキークレイジー」、「BAD FEELING」、「No.N.Y」、
「MARIONETTE」、「季節が君だけを変える」辺りが入ってた気がする。
もう毎日そのカセットばっかり聴いて、それがすごく気持ちよくて。
で、当然もっと他の曲が聴きたくなるじゃない。
だから学校帰りの古本屋さんで、
BOOWYの初期(最初はSAX等含め6人いた)アルバムを購入。
初期のBOOWYってとんでもなくやんちゃで、勢いがあって、バラエティに富んでて、
全盛期とはまた違った魅力をたたえてるんだ。更に惚れてしまうあたし。
数日後にはライヴアルバムと当時出したばかりのアルバムを購入していた。

そんなある日、ふと気がついた。
BOOWYの歌詞はそんなに好きじゃないけど、曲が半端なく好きだってことに。
CDについてる歌詞カードでチェックしてみたら、
作詞はほとんどが氷室京介で、作曲はほとんど布袋寅泰と記されていた。
と、いうことは、あたしはつまり布袋の曲が好きなんじゃないか?、と、
そこで初めて気がついたわけです。
数日後、またも古本屋さんを物色していたら(貧乏だからね)、
布袋がソロで出しているアルバムを発見。
どきどきどき。買ってみようか。
でもこの人顔怖いし、どうしよう。でもでも聴いてみたくてたまらない。
当時のあたしはRockと並行して、ダンステクノにもかなり陶酔していて、
しかもギターのぎゅいんぎゅいんした音色があまり好きではなかったので、
敢えて、こんな怖い顔したギタリストのソロアルバムを買うってことに戸惑いがあったのだ。

結局、1枚だけ、買った。
布袋ってアルバム毎にその時々の彼のマイブームみたいなのがあって、
あたしが買ったアルバム「SUPER SONIC GENERATION」では
「サイバー」色の相当濃い出来になっていた。
父親の書斎にあるでっかいスピーカーでそのCDを聴いた瞬間、
「これだ―――――――――――――!!!!」
ってもうハートにストレートパンチ喰らった気分になってね、
次の日にはその古本屋さんにあった全ての布袋のCDを買い占めた。
高くてもいいから彼の音楽が聴きたくて、
古本屋にないCDは新品を探して買った。

…そして、聴き続けて、今に至ります。

彼の音楽の魅力を簡単にまとめると、
@常に死角へ向かう曲構成。
A無理に主張しすぎず、でも弱い訳では決してない小気味良いギターサウンド。
B遊び心を忘れない。熱い気持ちを忘れない。ワルガキであることを忘れない。
Cギターだけではなく、全てのパートを尊重した音のバランス。
D膨大なエネルギーの放出、エンターティメントとしても努力を惜しまない。
…ってなとこでしょうか。
簡単にまとめると、ね。簡単に。

今までのオススメアルバムランキングは、
3位:『SCORPIO RISING』←ストレートなR&R
2位:『GUITARHYTHM(ギタリズム)V』←バラエティに富んだ初期の名作
1位:『King & Queen』←この頃のサウンドはもーホント最高にかっこいいです。

絶対オススメしないのは
とってつけたように発売された
『HOTEI GREATEST HITS 1990-1999』というベスト(?)アルバム。
これは最悪。
会社の意向があったんだか何だか知らないけど、
当たり障りのないフツ〜の曲や冴えないバラードばっかり集めた1枚で、
このアルバムを1番最初に買っていたら
布袋ファンにはならなかったんじゃないかっていう位最悪。
でもカタチとしては「Best Hits」だから、
ちょっと布袋を聴いてみたいな、って人が最初に手にとるのはおそらくこれだと思うんだよね。
なのにナンなのこの客の機嫌うかがってるような最低の選曲スタンスは。
…まぁ何曲かはいいのも入ってるけどさ、
こればっかりは布袋らしくないです。
ジャケットとかも手抜きだし。多分布袋は直接は関係してないんじゃないかなぁ。

(いないと思うけど)マニア向けのオススメは
3位:『SUPER SONIC GENERATION』←作りこみ具合がヤバイ。
2位:『Tonight I'm Yours―B-Side』←2枚組み、メインはライヴ音源。でもB-Sideが面白い。
1位:『GUITARHYTHMU』←2枚組み。死角へ向かう布袋らしさ満載のアルバム。

最後に。
布袋のオフィシャルHPで、彼が新年明けた時にファンに向かって送ったメッセージ。

『今年もよろしく。

今年の抱負?
弱音を吐かぬこと。
今年は勝負にでます。
世界を手にいれて笑います。

お互い良い夢を見ましょう。
叶えてなんぼの夢だろう?』