原宿
明治神宮
所在地: 渋谷区代々木神園町1−1 (東京メトロ明治神宮前駅徒歩2分)
HP:http://www.meijijingu.or.jp/
維持協力金:(御苑)500円・(宝物殿)500円
開門:5:00〜18: 10(5月)*日の出・日の入りに併せて変更




明治神宮鳥居
 

  
 毎年お正月に初詣客が一番多く訪れる神社と言えば、それは明治神宮である。僕自身も今までに何度か年越しを明治神宮で送っているが、確かにその人の多さは半端ではな かった。
        
 



  


 明治神宮は、明治天皇(1852〜1912)と皇后の昭憲皇太后(1849〜1915)を祭神として、1920(大正9)年に創建された。 総面積70万ヘクタール の地に、247種類17万本の樹木が植えられている。
 まぎれもなく大都市東京における最大規模の自然だが、驚くべきことに、これらの自然はすべて人工のものなのである。この地はもともと、森のない荒れ地であったが、1915(大正4)年以降大がかりに植林され、今に至っている。
    
 



代々木
 


 明治神宮があるのは、「代々木」の地。原宿から南参道を入ると、「代々木」がある。これは、樅の木で、この地には代々樅の大木が育つことから、「代々木」という名がついたという。もっとも、その代々木は1945(昭和20)年5月の東京大空襲によ って焼失。現在のものは、その後植林されたものである。
 
 


奉納 葡萄酒樽


奉納 日本酒樽
 

 参道の両側には数多くの奉納された酒樽が並んでいる。日本酒樽はわかるのだが、なぜか葡萄酒樽も並んでいる。神社と葡萄酒はどうもイメージが重ならないが…。説明書きによると、日本の近代化を推し進めた明治天皇は、「和魂洋才」を旨とし、日本の伝統の心を持ちつつ、西洋の優れた文物を取り入れた。洋食を好み、葡萄酒を好んだ天皇にちな み、フランスのブルゴーニュ地方から葡萄酒が奉納された。
  



大鳥居
 


 やがて、大鳥居にたどり着いた。この大鳥居は1975(昭和50)年に建てられた。木製の明神鳥居としては日本最大のものとのこと。明神鳥居とは、上の水平部分(島木)の上に、反った形の笠木をつけたもの。なお、笠木の無いシンプルな鳥居は神明鳥居で、靖国神社の鳥居などがそれにあたる。
   



御苑入口
 


 さて、明治神宮の御苑に入ることにした。この御苑は、江戸時代初期から、大名の加藤家・井伊家の庭園があり、明治に入って皇室領となり、代々木御苑と呼ばれた。
  



清正井整理券
 

 
 入苑領(500円)を払うと、「清正井 整理券」を渡された。そうだ、思い出した。明治神宮の清正井は、昨年(2010年)かなり話題になったパワースポットで、一時期 は大行列ができていたらしい。
 今ではさすがにブームは落ち着いただろうが、どれだけの待ち時間なのだろうか。
    



 


 苑内はうっそうとした緑に覆われている。東京だとは思えない雰囲気。ただ、原宿の街から近いせいで、騒音だけはここまで聞こえてくる。
     



隔雲亭
 


 苑内には茶室・隔雲亭がある。茶会などでよく使われる、僕自身も大学の茶道研究会時代に何度かここを使った記憶がある。一番最近では、2009年の茶道研究会60周年記念茶会の会場であった。
 隔雲亭は1900(明治33)年、明治天皇が昭憲皇太后のために建築したものであるが、戦災で焼失。1958(昭和33)年再建された。
      



南池と御釣台
 


 御苑の中央には南池がある。そこにある御釣台は、明治天皇の思召しによって建てられ、皇后はここで実際に釣りを楽しんだという。
    



菖蒲田
 


 菖蒲田は、1900(明治30)年頃に明治天皇によって花菖蒲が植えられた。現在150種類1500株の花菖蒲が植えられている。この時はまだ咲いていなかったが、以前菖蒲のシーズン(6〜7月)に訪ねた時はかなり見ごたえがあった。
  



清正井の前に並ぶ人たち
 


 いよいよ清正の井にやってきた。
 清正の井は、この地に屋敷を構えていた加藤清正(1562〜1611)によって掘られた井戸であり、南池の水源となっている。
 この清正の井は2010年パワースポットとして話題になった。清正の井の写真を携帯の待ちうけにすると幸せがくるということで、最盛期には井戸を見るために5時間待ちとなったということだった。
 せっかくだから、遠目にでも見ようと思って近くへ行ったところ、列は案外短い。並んだところ10分もしないうちに井戸にたどり着いた。もはやブームは去っていたらしい。
 もちろん携帯でも撮影し、待ち受け画面にしておいた。
    



清正の井
 


 それにしても、湧水の井戸らしく、水は異常なほどに澄んでいる。ぜひとも味わってみたかったが、なぜか水に触れてはいけないとの張り紙があった。
   



神官の行列
 


 再び御苑を出た。すると、境内を大勢の神官が歩いている。こんな光景が普通に見られてしまうのだから、明治神宮のスケールの大きさは計り知れない。
   



境内入口の鳥居
 


 今度は境内へと向かった。初詣客でにぎわう場所だが、三が日だけで300万人が訪れるという。
  



初詣客でにぎわう明治神宮
(2010年1月1日)
 


 僕も今までに何回か明治神宮に初詣に来たことがあるが、確かにすごい人だかりだった。(写真上参照)
  



客殿
 


 さて、この日は特に何もない日だったため、それほど人は集まっていない。
 鳥居をくぐって、左手に客殿を眺めつつ境内に入っていった。
  



楼門
 


 木製の立派な楼門をくぐり、本殿のほうへ出る。
  



拝殿
 


 明治神宮は1945(昭和20)年の空襲で社殿のほとんどを焼失しているが、1958(昭和33)年に再建されている。
  



結婚式の様子
 


 境内を神主に率いられ新郎新婦が一行が歩いてきた。明治神宮は結婚式場としても人気が高い。
   



明治神宮のおみくじ
 


 せっかくなので境内でおみくじを引いてみた。普通のおみくじは大吉、吉、大凶などの運勢が書いてあるが、明治神宮の場合は、明治天皇や昭憲皇太后の大御心が書かれている だけ。大御心(おおみころ)とは御祭神の有り難い御考えや、ご恩徳高い御心のことだそうで、具体的には詠まれた和歌のことである。その和歌にかかれた意味を読み取るわけだ。
   



芝生広場
右奥にNTTのビルが見える
 


 境内の北側には芝生が整備されている。その広々とした光景は、ここが東京であることを忘れさせる。だが、その奥にはビルがいくつも立ち並び、やはり東京なのだ。エンパイアステートビルを思わせる建物は、NTTドコモ代々木ビル。
  



至誠館
 


 敷地の北側には武道館である至誠館がある。ここでは武道の競技の他に、百人一首競技かるたの大会も行われる。僕も、何度かここの会場で試合をしたことがあるが、冬場はかなり寒かったのを思い出す。
 



宝物殿入口
 


 また、至誠館の近くには宝物殿もある。ここには明治天皇および昭憲皇太后ゆかりの品々が収められている。
      



宝物殿
 


 宝物殿の建物は、明治神宮が創建された翌1921(大正10)年に建てられた。奈良の正倉院の校倉造りを模した校倉風大床造り(あぜくらふうおおゆかづくり)で、2003(平成15)年には東京都の歴史的建造物に選定されている。
 館内には、明治天皇の調度品や衣装、馬車などが展示されている。
   



 


 帰りは北参道から代々木の方に出てみた。人通りの多い原宿側に比べ、こちらのほうは人も少なく、なんとなく物寂しいが、落ち着いた気持ちになれた。
  



北参道鳥居
 

(2011年5月12日)

戻る