清澄白河
滝沢馬琴生誕の地
所在地:江東区平野1−7(地下鉄清住白河駅徒歩5分)



滝沢馬琴生誕の地
 


 門前仲町から清住白河をめざし清澄通りを歩いていると、右側にこの碑があった。

 江戸時代後期の戯作者・滝沢馬琴(曲亭馬琴/1767〜1848)は、1767(明和4)年、この地で誕生した。当時この地には、旗本・松平鍋五郎の屋敷があり、馬琴の父は松平家の用人だった。1775(安永4)年幼くして父を亡くし家督を継ぐが、1780(安永9)年15歳の時に松平家を 去り放浪生活に入ると、門前仲町に住む。1790(寛政2)年に山東京伝(1761〜1816)に弟子入りし、戯作者として出発した。
  



「南総里見八犬伝」を模った碑
  


 代表作は言うまでも無く「南総里見八犬伝」(1814〜42)。馬琴は途中で失明しながらも、息子の嫁に口述筆記させて、死の直前までかけて執念で完結させた。全98巻106冊と言うのは、世界最長と言われるプルースト(1871〜1922)の「失われた時を求めて」(1913〜27)にも匹敵する長さなのではないか?

 この地に建てられた碑は、本を積み重ねた形をしている。一番上の2冊には「南総里見八犬伝」と書いてある。なるほど、106冊だから、積み上げれば十分碑になりうるのだろう。
 馬琴は82歳という当時としては相当の長生きをし、他にも「椿説弓張月」「近世美少年録」など約470種もの著作を著している。  
 

(2006年4月10日)


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