清澄白河
清澄庭園
所在地:江東区清澄3−3−9(都営大江戸線清澄白河 徒歩2分)
入場料:150円 65歳以上70円 小学生以下・都内在住在学の中学生無料
開館:9:00〜17:00



清澄庭園の泉水
  


 深川江戸資料館から出て西へ少し歩くと、清澄庭園がある。8万1千平方メートルの広い日本式の庭園である。
 深川江戸資料館の説明員にこの近辺でどこか面白い場所は無いか聞いたところ、ここを教えてくれたので、韓国人学生たちと訪ねてみた。

 この地は一説には江戸時代の豪商・紀伊国屋文左衛門(1669〜1734)の屋敷跡であったと伝えられている。その後、享保年間(1716〜36)に上総国関宿の城主久世大和守の下屋敷となり、庭園が形作られたそうである。
 1878(明治11)年に三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎(1835〜85)がこの敷地を購入。社員の慰安や貴賓を招待するために1880(明治13)年「深川親睦園」として開園した。その後も造園 工事は進められ、隅田川の水を引いた大泉水を始め、築山、枯山水、さらには全国から取り寄せた名石を配しての「回遊式林泉庭園」として完成させた。
 関東大震災後、破損の少なかった東半分が東京市に寄付され、1932(昭和7)年に「清澄庭園」として公開されている。
 

 

清澄庭園入り口
   


 なるほど、庭園内には伊豆や伊予、佐渡から持ってきたという名石がいろいろと見られる。中には、現在採取が禁止されている幻の石もあるそうである。石そのままのものもあれば、九重の塔や石仏群のように加工されたものも見られる。
 
 

九重の塔
 

石仏群


 庭園内には涼亭という日本式の邸宅も造られている。1909(明治42)年に国賓として来日したイギリスのホレイショ・キッチナー元帥(1850〜1916)を迎えるために、岩崎家によって建てられた数寄屋造りの建築である。現在は集会場として貸し出されているそうで、今回は入ることができなかった。
 



涼亭
 


 風景もさることながら、様々な動物が見られるのも、この庭園の面白いところ。鴨や鯉、メダカ、カエルといったものではあるが、都心に住んでいると、普段なかなか野生動物を目にする機会が少ないので、つい見とれてしまう。韓国人学生に、「あれは何と言う鳥か?」と聞かれても恥ずかしながら、答えられなかった(>_<)
 
 

 泉水に見える白い点は鳥である
 

 庭園の奥には松尾芭蕉(1644〜94)の「古池の句碑」がある。言うまでも無く、

  古池や蛙飛び込む水の音 

の句が描かれた碑である。もともとは1934(昭和9)年に隅田川のほとりの芭蕉庵跡に建てられたものだったが、改修の際に、ここに移されたそうで、清澄庭園は直接は芭蕉とは関係は無いそう だ。しかし、この深川は、芭蕉が晩年を過ごした地であり、あちらこちらに芭蕉にちなんだ碑や旧跡がある。
 



古池の句碑
 


 時間の関係もあって、ゆっくり見ることはできなかったが、もう一度じっくりと散策に来てみたい。そう思って、足早に清澄庭園を後にした。
 

(2006年4月7日)


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