京橋
東京国立近代美術館フィルムセンター
所在地:中央区京橋3−7−6 (銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅)
HP:http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
入場料(展示室):一般200円 大学生・シニア70円 高校生40円 中学生以下無料
開館:(展示室)11:00〜18:30 月曜閉館
    (図書室)0:30〜18:30 日曜・月曜・祝日閉館




東京国立近代美術館フィルムセンター
 


 映画の保存・収集を行なっている機関がここ。現在2万タイトルを超える映画を所有している。

 2階の大ホールでは定期的に収蔵作品その他の特集上映を行なっており、僕も「映画史探訪」執筆の際には何度も足を運んでいる。
 ちなみに2006年1〜3月は「ドイツ・オーストリア映画名作選」。この日の上映作品はマックス・オフュルス監督、田中路子(1909〜88)、早川雪洲(1889〜1973)主演の「ヨシワラ」(1936年仏)だった。ドイツ人監督がフランスで撮った日本を舞台にした映画。当時は「国辱映画」だとして日本では公開されなかったそうだが、なるほど確かにその通りである。
 冒頭からいきなり西洋人がちょんまげをつけて表れるのに面食らう。主演の2人を除くとスタッフはオール西洋人で、全員フランス語をしゃべる。明らかに遊女と芸者を混同しているようでもあるし、なんとも言えぬトホホ映画と思えてしまう。
 今後機会があれば「映画史探訪」のほうで紹介することにしたい。
   



大ホールの様子
 


 展示室は7階にある。大ホールの半券があれば、団体料金(一般100円、シニア・大学生40円、高校生20円)で見ることができる。
 展示室では「映画遺産」という常設展で、映画の撮影機や映写機、ポスター、スチールなどのセンター所蔵資料を見られる。とりわけ、映画の発見・復元という「映画保存」の軌跡が紹介されている。また、そうして現在保存された映画のいくつかは部分的ではあるが、実際の映像を見ることもできる。実際「南極探検記」(1912年)、「忠治旅日記」(1927年)、「狂った一頁」(1926年)、「和製喧嘩友達」(1929年)などは現在ビデオ化されていないので、ここで観る他は無い。
  



常設展入り口


 ちょうど「松竹創業百十周年記念/松竹と映画」という企画展も行なわれており、「男はつらいよ」で渥美清(1928〜96)が着た寅さんの衣装なども展示されていた。
  



左から岡田茉莉子、北原三枝(現・石原まき子)、若尾文子
  


 4階の図書室(閉架式)には約2万冊の映画文献が収められている。これは、明治以降に日本で刊行された映画図書の約8割に相当するそうである。映画関係の資料を探すなら、ここと「早稲田大学演劇博物館」は欠かせない。
 
 大ホールに上がる階段の壁には往年の美人女優のスチールが飾られていてる。
 映画の世界に浸る場所として、ここは貴重な地だと言える。
  

(2006年3月16日)

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