大阪
通天閣
所在地:大阪市浪速区恵美須東1−18−6(地下鉄堺町線恵美須町駅)
HP:http://www.tsutenkaku.co.jp/index.html
入場料:(展望台)大人600円・大学生500円・中高生400円・小人300円
開園:10:00〜18:30 



大阪のシンボル通天閣
 


 東京の近代都市としての象徴が東京タワーなら、日本第二の都市大阪の象徴は紛れも無く通天閣と言えるのではないか。

 現在の通天閣は2代目で、初代は1912(明治45)年にパリのエッフェル塔を模して建設された。第二次大戦時に敵の標的となるということで取り壊され、1956(昭和31)年に再建され ている。全長103メートルは当時日本最高の高さ。現在では、高層ビルの陰に隠れて目立たないが、やはり大阪人のシンボルとして堂々とした姿を見せる。
  



真下から見上げる
 


 鉄塔部分に書かれた「日立プラズマテレビ」の文字に面食らう。単なるシンボルに留まらず広告塔としての役割を果しているというのが商業の町大阪らしい。

 とりあえずエレベータで2階に上ってみた。展望台はさらにここから上る。2階だけでも10メートル近くの高さがあり、それだけで十分見晴らしがいい。ここまでは無料なので、取りあえず今回は次の予定もあり、展望台には上らずに帰ったのだが、展望台のフロアには幸福の神様である「ビリケン」が祀られているとのこと。

 ビリケン(BILLIKEN)とは、「通天閣オフィシャルサイト」によると、1908年にアメリカの女流美術家E・I・ホースマンが夢で見た神様をもとに制作したもので、アメリカを皮切りに世界中で大流行。1912年に大阪・新世界にオープンしたルナパークに「ビリケン堂」が立てられ、ビリケン像が安置されたという。その後ルナパーク閉鎖の際にビリケン像は行方不明となったそうだが、1979(昭和54)年に再び作られ、通天閣に安置されるにいたったのだと言う。
 



 「王将」の碑
  


 僕にとってはNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」(1996〜97年)の舞台だった記憶が強い。中でも頭に通天閣の模型をつけた衣装で歌う、河合美智子(1968〜)演じる歌手・オーロラ輝子はインパクトがあった。劇中歌「夫婦みち」は大ヒットし、その年の紅白歌合戦にもオーロラ輝子名義で出演している。
 
 「ふたりっ子」は、性格の違う双子の姉妹をめぐる物語で、妹香子(岩崎ひろみ)は女性棋士をめざす。香子が師匠となる老棋士・銀じい(中村嘉葎雄)と出会うのは、この通天閣の足元にある「王将」の碑の前だった。
 この「王将」の碑は、大阪が生んだ希代の棋士・坂田三吉(1870〜1946)を記念して1969年に立てられたもの。坂田は通天閣を見上げては、闘志をかきたてたと言われる。阪東妻三郎(1901〜53)が坂田三吉を演じた映画「王将」(1948年大映)や、村田英雄(1929〜2002)の歌った「王将」(1973年製作映画の挿入歌)で知られる人物。
 そう言えば、水島新司(1939〜)の野球漫画「ドカベン」(1972〜81年)のライバルの一人が大阪代表・通天閣高校の坂田三吉だった。彼は、高々とフライを打ち上げる通天閣打法を駆使して、ドカベンたちを苦しめた。坂田三吉の真っ直ぐさや、ど根性は大阪人の気質を表しているということで、このような形でその名が今に伝わっているのだろう。
 

(2006年3月30日)


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