東山
高台寺
所在地:東山区高台寺下河原町526(京阪電車四条駅 徒歩15分)
HP:http://www.kodaiji.com/guide/index.html
入場料:大人600円 中高生250円 小学生無料
開館:9:00〜17:00



高台寺方丈
  


 霊山観音のすぐ西にあるのが高台寺。豊臣秀吉(1536〜98)とその妻・北政所ねね(1548〜1624)の菩提寺である。
 秀吉が亡くなった後、ねねは出家し1603(慶長8)年「高台院」の号を後陽成天皇(1571〜1617)から授かる。そして、1605(慶長10)年秀吉の菩提を弔うために高台寺を建立、そこで晩年を過ごした。
  
 なお正式名称は「鷲峰山(じゅぶざん)高台寿聖禅寺」。臨済宗宗建仁寺派の寺である。
 
 再三の火災に見舞われ、現存しているのは旧持仏堂の開山堂や、霊屋(おたまや)、傘亭、時雨亭などで、それぞれ国の重要文化財に指定されている。
   



円山応挙の幽霊画
 

 
 入り口から入るとまず方丈から見学することになるが、この方丈はに、1912(大正元)年に再建されたもの。創建当初の方丈は文禄の役(1592〜93年)の後に伏見城の建物を移築したものであったそうだ。
 方丈では、開創400年特別記念ということで、「百鬼夜行」の展示が行なわれており、円山応挙(1733〜95)の幽霊画などが展示されていた。

 方丈の横の庭園は小堀遠州(1579〜1647)の作で国の史跡・名勝に指定されている。
    



高台寺庭園
 


 庭園に面している建物は1605(慶長10)年建築で重要文化財に指定された開山堂。もともと北政所の持仏堂であったが、その後、高台寺第1世の住持・三江紹益禅師(1572〜1650)を祀る塔所となる。北政所の兄・木下家定(1543〜1608)とその妻 ・雲照院の木像も飾られている。
   



高台寺開山堂
 


 秀吉と北政所が祀られているのは、やはり重要文化財の霊屋(おたまや)。厨子内の右に秀吉、左に北政所の木像がそれぞれ安置されている。
 



高台寺霊屋
 


 ところで、高台寺は蒔絵が有名である。厨子内の扉や須弥壇に草花や楽器の模様が金の平蒔絵によって施されている。それがいわゆる「高台寺蒔絵」である。
   



傘亭(手前)と時雨亭
 


 重要文化財の傘亭(かさてい)と時雨亭(しぐれてい)は、共に千利休(1522〜91)の意匠による茶席で、伏見城から移築したもの。
 時雨亭は日本唯一の2階建て茶室とのことで、2階が茶室、1階が水屋となっている。
 
  



時雨亭
 


 高台寺のすぐ西の小道は「ねねの道」というそうだ。
 北政所も秀吉の菩提を弔うためにこの道を通ったのだろうか…そう思ってふと見ると、和服姿の若い女性たちが向こうからやってきた…。何とも京都らしい光景であった。
   



ねねの道を歩く和服姿の女性
 

(2006年5月20日)

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