Bastard Sword

Bastard Sword - バスタードソード
全長:100cm〜130cm
重量:1500g〜2500g

 Bastard Swordは主に16世紀〜17世紀後半にかけて西洋で使われていた長剣である。登場した当初は脚光を浴びたものの、長くて重い為、銃や細身の剣に主役の座を奪われてしまった。
 Bastardとは私生児(中途半端な存在を扱う際に用いられる語彙)の意味である。この剣は片手でも両手でも扱えるように作られていたので「どっちつかず」の意味でBastardと名付けられたのだという。
 西洋の片手剣はほとんどの物が80〜100cmの間で作られている。これは成人男性の腕の長さに合わせて作られている為である。剣を扱う際は、剣を自分の腕の延長と見なして振り回す。従って、腕と同じ長さの80〜100cmの剣が最も扱い易いのだ。(レイピアのような刺突剣はさらに10cmほど加算して、リーチで敵を圧倒する)ところがBastard Swordはそれよりも長く、そして重い。これは片手でも両手でも扱えるように設計されている為だが、使用者にとってはこの差が大きな負担となる。つまり、Bastard Swordは独特の重心と使用法を持った剣なのである。この為、Bastard Swordを扱う際には専用の訓練を受ける必要があるのだ。これがBastard Swordが普及しなかった原因の一つであり、弱点でもある。
 現役を引退した後は主に美術品として取り引きされ、現在でも美術館や古美術商などでその姿を目にすることが出来る。