FN Scar-L Mk.16 Assault Rifle
FN Scar-L Mk.16 Assault Rifle
 FN社製Scar-L Mk.16アサルトライフルは、現在、米軍特殊部隊を始めとする実戦部隊にて運用試験が行われている新世代の小銃である。M4ライフルに代わる米軍の次世代小銃として開発が進められており、2012年頃には本格量産が開始される予定だ。
 米軍の次世代小銃とあって、外見や使用感覚はM16やM4に近く、転換訓練を短縮する為の配慮が伺える。しかし似通っているのは外見だけで、中身は全くの別物である。
 この銃の最大の特徴は「モジュールシステム」と呼ばれる、パーツの簡易交換システムだ。Scar-Lは兵士の好みや特定の状況に合わせて自由に銃をカスタマイズ出来る仕組みになっており、特殊な工具を用いず、スイッチ一つでストックやグリップ、銃身を自由に分離、交換出来るようになっている。また銃の上下左右には20mm規格のマウントレールが4本装着されており、ここに様々な民間品や軍用品のオプションパーツを取り付けられる。この為、Scar-Lは様々な状況や兵士のニーズに合わせて装備を交換できる、極めて汎用性の高い小銃として注目されている。
 またScar-Lは将来実装されるであろう大口径/低反動弾の新型弾薬、小型遠隔操縦カメラ、敵味方識別用のIRビーコン、ID認証等のデジタル装備の搭載を前提に設計されており、大幅な拡張にも耐えうる仕様になっている。図のScar-Lは米軍の標準規格である5.56mm弾を使用するモデルであり、西側諸国で使用されている大口径の7.62mmNATO弾を使用するScar-Hモデルも平行して開発が進められている。両者はパーツの大部分を共有出来る仕組みになっており、大量生産や輸出を念頭に置いた設計が成されている事が分かる。
 今後、映画やゲーム等で米軍や同盟国兵士の装備するライフルはScarシリーズに置き換わっていく事だろう。日本の特殊部隊であるSATも過去には米軍の装備を輸入して研究していた事があるので、限定的ではあるが、Scarシリーズも日本に輸入されて使用される……かもしれない。