RPG-7 Anti-Tank Rocket Launcher |
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RPG7対戦車ロケットランチャーは、旧ソ連で開発された携行式の擲弾機である。 第二次大戦中、戦車の性能は凄まじい勢いで進化し、それまでの火器ではその装甲を貫通する事が不可能な程までに発達した。 そこで対戦車用の弾頭として「成形炸薬弾」という弾種が開発された。成形炸薬弾は指向性を持った炸裂弾であり、弾が装甲に命中すると一点に高圧力がかかり、装甲に小さな穴を開け、そこに爆風が潜り込むというものであった。ドイツ軍の「パンツァーファウスト」アメリカ軍の「バズーカ」などは、いずれもこの種の対戦車火器である。 第二次大戦後、RPG7は旧ソ連によって開発され、従来の対戦車ロケットランチャーと比較して、より強く、より安価で、より生産性の高い火器として開発が進められ、ベトナム戦争に投入された。その威力は驚異的で、120mmの装甲板を貫く破壊力があった。 ベトナム戦争以降、RPG7は旧共産圏やイスラム諸国にばら撒かれ、ゲリラから軍用に至るまで、大量に運用される事になった。 時に1993年、ソマリアで起きた内戦にアメリカ軍が介入し、大規模な市街戦に突入する事になった。この戦闘でアメリカ軍は2機の戦闘ヘリ・ブラックホークをRPG7によって撃墜され、多大な犠牲を出す事になったのだが、アメリカ軍はRPG7を対空火器として使用される事を想定していなかった。何故ならRPG7は発射時、後方に巨大な爆風(バックブラスト)を巻き起こすので、上に向けて発射出来ないという欠点があったからだ。これに対し、ソマリア民兵は地面に穴を開け、そこに爆風が潜り込むようにRPG7を対空火器として使用出来るよう市街を改造しており、ブラックホークの撃墜に成功した。 これは非常に稀有な例なのだが、RPG7でもヘリを落とす事が出来るという事実を作ってしまい(アメリカ軍やNATO軍にとって)都合の悪い事態に発展する事となった。現在でもRPG7は世界中で現役であり、対戦車兵器として恐れられている。 |