PTRD 1941 Anti Tank Rifle
PTRD 1941 デグチャレフ対戦車ライフル
全長:2020mm  重量:16kg 装薬:14.5mm徹甲弾

 デグチャレフ対戦車ライフル・PTRD1941は第二次大戦初期、ドイツ軍のロシア侵攻作戦「バルバロッサ作戦」以降、ソ連赤軍で大量に使用された大型の 対戦車ライフルである。全長2m、重量16kgという破格の図体を持つ銃で、その巨大さからライフルというよりは対戦車砲の類に分類される場合もある。
 デグチャレフはドイツのロシア侵攻を受けて急造された対戦車火器であり、射手の安全性を始めとする様々な欠陥を無視して量産された。水道管やガス管を銃身代 わりに用い、その辺の鉄板やネジで無理やりパーツを溶接して14.5mm対戦車弾を撃てるようにした、手作り感満載な色物兵器だ。弾倉すら用意されておら ず、射手は一発毎に弾を薬室に手動で装填する必要があり、連射性は極めて低かった。また14.5mm弾が発する凄まじい反動のせいで、連続して10発も撃 つと射手は軽い脳震盪を起こしてしまうという非常に危険な銃でもあったが、この当時のロシアは「人間は畑から採れる」といわんばかりの人命軽視、人海戦術を取っていたので(兵士達からは嫌われていたが)デグチャレフは大量配備され、赤軍が誇る恐るべき武器となったのだった。
 正式名称はProtivoTankovoye Ruzhyo Degtyaryova - 頭文字を綴り合せて「PTRD 1941」と呼ばれた。