L85A1 Armed Rifle
L85A1 アームドライフル

 L85A1アームドライフルは、1985年にイギリスで制式採用された突撃小銃である。
 この銃の特徴を簡単に説明すると「クソ銃」「100発撃つと銃が壊れる」「アサルトライフルのくせにマシンガン並に重たい」「触ってないのに部品が脱落した」「壊れた部品を交換したら、交換した部品も壊れていた」「クソ銃」と、ひたすら悲惨な言葉が並ぶ、何とも気の毒な銃である。
 そもそもこの銃は、イギリスがお隣のフランスのFA-MASライフルに対抗意識を燃やして作った物だが、アサルトライフルの開発実績が無いイギリスではまともな銃が作れず、L85の初期型であるSA80ライフルでは問題が続出し、開発そのものが危ぶまれる事態となった。
 しかしNATO陣営が次々と新しい銃を開発していく中、イギリスだけ何もしない訳にもいかず、SA80はL85と名前を変えて、制式化されてしまった。だが制式化されても銃の基礎的な欠陥は改善されておらず、各国の合同訓練でイギリスのL85は「撃ってる時間より修理してる時間のほうが長い」という体たらくッぷりを披露する羽目になってしまい、L85の信頼性はどん底まで落ちてしまった。
 やがて湾岸戦争が始まると、イギリスは特殊部隊であるSASにスカッドミサイルの破壊工作命令を出し、隊員を現地に派遣したのだが、SASは「こんなブラッディ・ヘルな銃使えるか。全部アメリカ製に交換しろ」とL85の使用を全面的に拒否してしまう。事実、イギリス陸軍が持っていったL85は砂漠の中では全く使い物にならず、国防省が「OK。ジェントルメン。この銃はクソだ。もう大改修するしかない」と諸手を上げて降参宣言を出す有様であった。
 その後、L85は改修されてL85A1となり、一応ライフルとして使える程度には改善されたのだが、信頼性を取り戻すまでには至らなく、今日では「L85A1って不良品の代名詞だよね」と冗談交じりに言われている始末だ。実際、銃が重すぎたり、拡張パーツの装着がほとんど不可能だったり、製造コストが高かったり、メンテナンス性が悪かったりするのだが、その辺も含めて「駄目な子ほど愛しい」というか、妙な人気があるのがL85A1なのである。
 「そんな銃で大丈夫か?」「アメリカ製のを頼む」