Scorpion

Scorpion - スコーピオン
全長:170cm〜200cm
重量:3000g〜3500g
生産地:欧州中部

 Scorpionは16世紀中頃から17世紀後半までの間、主に欧州の中部で盛んに用いられた矛槍である。
 「Halberd」と「Partisan」の発展系であり、これら矛槍の流れを組む武器として脚光を集めた。

 上記の年代は火器の発達により戦術が大きく変わり、刀剣が徐々に廃れていった時代である。
 巨大な刀剣、重たい板金鎧、大盾などが戦場から消え、代わりに銃の効果を最大限に引き出す為の、支援用の装備が開発された。Scorpionはその結果、生み出された武器である。
 フリントロックガン、いわゆる火縄銃や後発式激発銃は弾薬の装填に時間がかかる。この間は無防備なので敵の襲撃を受けやすく、危険な状態である。そこでScorpionを持った歩兵が前面に押し出て敵を牽制し、弾薬の装填までの時間を稼ぐのだ。
 この戦術は柵や壁を用意できない野戦や会戦で有用であったため、盛んに用いられた。

 Scorpionは習熟するのが困難な、難度の高い武器と見られている。複雑な形状と重量、そして何より目立つので敵のマトになる可能性が高く、運用が難しいのである。
 このためScorpionを持つ兵士は正規の軍人で、しっかりと訓練を積んだ者だけに限られていたそうだ。