Closed helm
Closed helm - クローズドヘルム
面頬付き兜

 バイザーのような面頬のついた鋼鉄製の
兜。中世の末期頃(13世紀後半〜14世紀前半)に登場した騎士用の重兜で、頭部を完璧に保護する防具である。

 一口に兜といっても、時代と場所によってかなり様相が違う。
 このClosed helmのようなタイプの兜が作られていたのは大西洋から黒海に至る地中海側の地域で、北欧や現ロシア南西部
などではまた別な形の兜が用いられていた。
 騎士、特に重装備を施した騎兵が着用した兜で、何よりも頑丈さを優先した作りになっている。
 騎兵による突撃時には稼動式の面頬を下ろすため、素肌を露出する個所が全く無くなる。飛び道具や刀剣による攻撃を完全にガードする、心強い防具であった。

 しかし登場する時代が若干遅かったようだ。この頃に丁度、銃が登場しており、時代は騎士を必要としなくなりかけていたのである。 そして時は流れて16世紀。騎士は廃れ、鋼鉄の鎧は防具としての価値を失い昔を偲ばせるだけの装飾品となった。
 Closed helmも例外ではなく、城の武器庫で静かに眠りにつく事になったのである。

 さてこのClosed helmだが、バケツをかぶるようにスッポリと、頭の上からかぶる仕組みになっている。
 頭部全体を覆う装甲と、ネックガードがついたものが一般的。バイク用のフルフェイスヘルメットにのど当てを足したような代物であると考えてもらいたい。
 あご紐や肩部のパーツと組み合わせてとめるので、まかり間違っても戦場で脱げてしまう事はない。
 よくアニメで兜を吹っ飛ばされるシーンがあるが、(演出上の仕様だとしても)まずありえない事なので、賢明なTRPGのマスターさんには真似しないで頂きたいものである。