Half armor
Half armor - ハーフアーマー
重量:4000g〜6000g
生産地:欧州、北米

 銃の登場、飛び道具の発達と共に、鋼鉄製の板金鎧は廃れ戦場から姿を消した。
 このHalf armorは16世紀以降の、銃が戦術の中心となった時代の代表的な防具である。

 板金鎧でも銃弾を防ぐことは可能であった。
 ひたすらに装甲を厚く、硬くすればいいのである。
 厚さ5cm( ! )、重量6kg程度の装甲ならば銃弾を止められる事が判明したのだが、これを全身に渡って施した場合、その鎧は信じられない重量になってしまう。
 そこで「撃たれれば致命傷につながる胴体だけ守りを固くする」事になり、新たな鎧が発明された。それがこのHalf armorである。
 胴体以外の守りを一切捨て、胴体に装甲を集中した結果、歩兵が着て歩けて、なんとか銃弾を防御できる鎧になった。
 このHalf armorは火器に対して有効な働きを示したため(それでも至近距離から撃たれると弾は貫通するのだが)、16世紀以降の標準的な防具として各地で用いられるようになる。
 19世紀まで使われ続けたHalf armorだが、銃器がマスケット銃からライフル銃に変わると、鎧そのものに意味がなくなったため、無用の長物と化した。
 
 Half armorは主に3つのパーツに分けられている。
 胸当ての前部、後部、ネックガード(左図の鎧にはネックガードは着けていない)である。
 体を前と後ろから挟み込むように胸当てをはめ、ベルトやリベット(留め金)で固定する。そしてマフラーのようなネックガードを頭からかぶって完成である。

 ちなみに重量6kgと聞いてもあまりピンとこないと思うが、パソコンの17インチディスプレイが大体6kg。
 つまり貴方の目の前に有るモニターを体に括り付けて、走ったり剣を振り回したりするようなものである。
 筆者にはまず不可能だが……さて、貴方はどうですかな?