Sinclair |
全長:100cm 重量:1400g 生産地:神聖ローマ帝国 銃が戦術の中心として用いられるようになると、それまで使われていた重くて巨大な刀剣は見る間に廃れてしまった。 重装の鎧と両手剣は消え去り、代わりに軽装の胸当てと、片手用の曲刀や細剣が使用されるようになる。 Sinclairはこの、刀剣の過渡期とも言える時代に生み出された剣である。 中世の欧州では「斬る」機能が軽視されていたので、曲刀や刺突タイプの刀剣はほとんど生産されていなかった。騎士達が本格的に曲刀を手にし始めたのは十字軍遠征以降である。 十字軍遠征でアラブ人の使う曲刀の威力に散々苦しめられた騎士達は自分達用に曲刀を開発する。それがサーベルある。 Sinclairはサーベルの原形ともいうべき剣で、曲刀のように湾曲こそしていないものの「斬る」能力は非常に高い。 そして、Sinclairを元に様々なタイプのサーベルや細剣が生み出された。剣技のひとつであるフェンシングも、このSinclairから始まったと言われている。 Sinclairは19世紀まで戦場の最前線で使われ続けたが、ライフルの登場と共にその役目を終え、刀剣の歴史に幕を下ろしたのだった。 |