The Dagger of Masquarade
The Dagger of Masquarade - 儀礼用短剣
全長:30cm
重量:500g

 The Dagger of Masquaradeは般的な欧州の装飾を施した儀礼用の短剣である。左図は架空の短剣だが、このような装飾を施した儀礼用の短剣は普通に存在しているので、別段珍しいものではない。

 Daggerダガーを日本語に訳すと「短刀」又は「匕首」となる。
 ダガーとは長さ30cm以下の両刃の短剣のカテゴリ名で、それ以上の長さの物はショートソード、片刃の物はナイフとそれぞれカテゴライズされる。もっとも厳密に区別されている訳ではなく、例えばハンティング用の大型の直刀をダガーと呼んだりもする。ただ、どちらかと言えば古語にあたる言葉なので、今日では刃物の専門家や愛好家達が使うに留まっている。
 欧州のダガーは一般的には直刀で、日本の小太刀のように湾曲した刃を持つダガーはほとんど存在しない。これはダガーの用途を考えれば当然の事で、突く、もしくは刺す事に特化した刃物である為、湾曲させる理由が無い。あえて湾曲させた場合は、クリス・ナイフ等と呼ばれるようだ。
 貴族階級の間ではダガーはいわゆるステータスシンボルとして好んで持ち歩かれていたという。護身用という目的もあるだろうが、それ以上に家系や出自、家柄や富を示す為の道具として使われていた。早い話、ダガーを金銀細工で飾り立てて「俺はこんなに金持ちなんだぞ」と周囲に見せびらかしていたそうだ。
 対して戦場では実用一点張りの道具だった。戦場におけるダガーの用途は「鎧の隙間から相手を刺す」「引き倒した相手の兜の隙間から顔をえぐる」「相手に投げつけて隙を作る」といった殺傷の為の道具であり、左図のような装飾を施した重いダガーは武器として失格だった。また日常の様々な雑事にも扱われる為、ダガー等の小型の刃物を常時携帯する事は、兵士達にとって極めて当たり前の事だった。