KNIGHT'S SILVER KNIGHT

KNIGHT'S ARMAMENT - SILVER KNIGHT
ナイツナイフ・シルバーナイト

 米国の国防の中枢を担う銃器メーカー「Knight's Armament」。そのナイツ社々長の「リード・ナイツ」は自社の精神を象った武器が作れないものかと日々、考えていた。そして2001年。ナイツは、ナイフ界の鬼才と呼ばれるデザイナー「スティーブ・ライアン」を呼んでこう告げた。「ナイツの魂を再現したナイフを作れ」と。これにはさしものライアンも途方に暮れた。これまでに多くのナイフのデザインを手掛けてきたライアンではあったが、銃器メーカーからの依頼は初めてであったからだ。しかも、米国最大手のナイツ社々長自らの依頼である。「これは一世一代の大仕事になる」……ライアンは頭を抱えつつも興奮していた。ナイツの期待に応えるには、ただ外見が美しいだけでは駄目だ。美しさと性能が両立する、タフでクールなナイフを作らなければならない。デザイナー魂に火を付けられたライアンは何日も工房にこもり、必死にデザインを考え続けた……。
 そして遂にライアンはやり遂げた。ナイツと開発スタッフに渾身のデザインを叩き付けたのだ。デザイン画を見た一同は驚愕した。そこには鋭さと柔らかさ、無骨さと優美さを兼ね備えたナイフが描かれていたのだ。鋭く長く、機能性を全面に打ち出すのが流行とされていたナイフの常識をうち破り、短く太く、線と角で構成されたナイフは誰の目にも新鮮に映った。「これがスティーブ・ライアンの力か」誰もが唸らずにはいられなかった。ライアンは己の責任を見事、果たしたのである。
 デザインは決定した。後は製造するのみだ。しかし、ここにきて開発スタッフは思わぬ壁にぶつかった。このデザイン通りにナイフを製造できるメーカーが無いのである!このナイフは量産モデルなのだ。量産すると言うことは、千本作ったら千本とも全く同じ性能でなければならない。ナイフのデザインと性能を活かしたまま大量生産を行えるメーカー……米国にはそんなメーカーは存在しなかった。
 開発スタッフは悩んだ。クオリティを落として量産するのは論外だ。かといって、今になってデザインを変更してはライアンに申し訳が立たない。ナイフメーカーと綿密な打ち合わせが続いたが、答えは一向に出なかった。
 「……そうだ。日本の関市だ。あそこではサムライソードを作っている」 男達の一人が呟いた。
 誰もがハッと息を飲んだ。国外のメーカーに頼る。何故今までその事に頭が回らなかったのか?
 「だが、国外に発注してはコストが……」 「よく考えるんだブラザー。クオリティとコストは比例なんだ。仕方ないんだよ。ここで決断してクオリティを取るか、それとも妥協してクソナイフを作るのか、どっちがいいんだい?」 答えは一つだった。開発スタッフはナイツと親交のある日本人ライターを通して、関市の「G・サカイ」という刃物メーカーに協力を依頼した。
 「やりましょう」 G・サカイから快諾の返事を受けたスタッフは手を取り合って喜んだ。何故ならば「G・サカイ」が提示したナイフのサンプルは、今まで彼等が見たどのナイフよりも鋭く美しかったからだ。
 そして時は流れ2002年。遂に試作品がナイツ社とライアンの元へと届けられた。それを見た一同は……。

 ナイツナイフ・シルバーナイトは2002年のナイフ・オブ・ザ・イヤーという、最も優れたナイフに贈られる賞を手にした。そればかりでなく、国内外のあらゆるコンテストでトップを取るという、前代未聞の快挙を成し遂げたのだった。
 ナイツ、ライアン、開発スタッフ、そしてG・サカイの刀匠……。男達の情熱が生み出したナイフ。それがシルバーナイトである。

 ナイツナイフはシリーズに「銀騎士・シルバーナイト」「黒騎士・ブラックナイト」等があります。また近々、ポケットナイトという小振りなナイフを発売する予定です。生産数が少ないので入手困難です。5万円で買えれば万歳ってところでしょう。