Broad sword

Broad sword - ブロードソード
重量:1000g〜2000g
全長:90cm〜130cm
生産地:16世紀以降の欧州全域

 Broad swordは16世紀以降に登場した幅広の長剣の総称である。Broad swordに類似した刀剣は欧州の各国で生産されており、時代や場所ごとに仕様や名称が異なる。
 左図のBroad swordは1600年頃にイタリアで生産されていたモデルを参考に作成した。

 急激な火気の発達により戦術が大きく変わった16世紀。騎士は廃れ、重い鎧も剣も無用の長物と化した時代だ。
 兵士の武装は軽量化を辿り、それまでとはうってかわって軽鎧と細身の剣、そしてマスケットガンを持つようになる。
 Broad swordはそんな時代の流れに逆行する形で作られた剣である。
 Rapierのような細身の剣とは対照的に、刀身は分厚く重たい。まるで中世時代に騎士が持ったような剣なのだ。
 これは武装が軽量化を図ったことによる、武器の先祖がえりの一種ではないかと考えられている。
 細い剣が主流の中で重たい剣を使えば相手とは違った戦法で戦える。また相手の剣を叩き折るような、細身の剣では出来ない芸当も可能だ。
 これらの理由により、一度廃れたはずの刀剣が復活したのである。
 Broad swordはRapierやSabreと共に19世紀初頭まで使われ続けたが、ライフルの登場と共にその役目を終え、刀剣の歴史に幕を下ろしたのだった。