5月は、せっかくゴールデンウィークもあったんですけど、、劇場に並ぶあまりの人の多さに圧倒されてしまって結局またまた
出遅れてしまいました;
そんななかで、もっとも印象に残ったのが「真珠の耳飾りの少女」。光の画家という名で知られるフェルメールの名画をモチーフ
にした映画だけあってその光の演出はほんとにため息が漏れるほどでした。
まるで絵画から切り取ったようなシーンの数々。迫力を味わうだけでなく、こういった画面から滲み出るような雰囲気も、やっぱり
劇場でしか味わえないんだなあって改めて思いました。
『真珠の耳飾りの少女』  2002・英   5月31日(月)
たぶん、このタイトルや下のイラストをみてあっと思ったひとは多いんじゃないかなって思います。
そうなんです。この映画はあの「光の画家」として有名なフェルメールの作品、『真珠の耳飾りの少女』をもとにして創られた映画なんです。
たまたま映画の予告編で観て、これは良いかも、って思って観に行きました。

父が事故に遭い、一家の家計を支えるべく奉公にでることになった主人公のグリード。
その奉公先とは、画家であるフェルメールの家だった。フェルメールの家で使用人としての日々を淡々とこなすうち、ふとしたきっかけでフェルメールと
親密になるグリード。そしてフェルメールは、彼女をモデルとした一枚の絵を描きたいと思い始め、、

はっきりいって、この映画を観るまで、フェルメールという一人の画家のことや当時の時代背景なんかをまったく知りませんでした。
この当時の画家は、いわゆるパトロンに依頼されるかたちで絵を描いていたみたいであまり自分のためっていうかんじではなかったみたいです。
だからこの映画のように主人をさしおいて自分のために絵を描くっていうのは、それは許されないことで下手をすれば自分の生活が立ち行かなくなる危険さえあったんです。
でも、それでも描きたいという衝動を抑え切れなかった画家・フェルメール。彼のそんな情熱が、静かではあるけれど確実に観るものに訴えかけてきました。
それに光と影の絶妙なバランス。「光の画家」たるゆえんを、映画のスクリーンを通して体感できた気がしました。

とにかく抑えた色彩、まるで絵画でも観るかのような格調高い映像。映画が始まって終わるまで、まるで美術館で絵でも観ているかのような感覚で映画を観ていました。
どちらかというと色褪せ、どれも歴史を感じさせる古びた街並みや調度品ばかり。そんな中だからこそ、ひときわフェルメールの描く絵が輝いて見えるんです。
フェルメールという、ひとりの画家の目を通して描かれた絵は、すばらしい光を帯びてまさに輝いて見えました。
とくに後半のグリ−ドをモデルに絵を描くシーン。窓から指すやわらかい光がグリードを照らすシーンではおもわずため息がでそうなくらいでした。
いままでは映像の迫力を体感できるのは映画館でなくちゃって思ってましたけど、こういう映像美で魅せる映画もやっぱり映画館でなくちゃって思いました。
フェルメールの描く光と影を感じたいならぜひ映画館で!そんなかんじの作品です^^
『はつ恋』  2000・日   5月24日(月)
いつもここに紹介するのは劇場公開中のものや、なるべく新しいものを優先的に紹介していってるんですけど、今回はちょっと脱線しまして
TVで放映されたものを紹介することにします^^。

とりあえず録画はしたものの、あんまり期待せずに観たこの作品。
はじめはなんとな〜く観ていたんですけど、これが意外にも良いかんじで始まって、、これはきちんと観ないとって思って、きちんと腰を据えて
最初から最後まで、ずっと通して観てました。

とつぜんの病に倒れた母。最初はすぐに良くなるだろうと思っていたのに母の病状は思ってたよりも重く、ほどなく入院生活を送ることになる。
そんな母のためになにか出来ることはないかと模索してる最中に、家の中から出てきた旧姓の母宛ての手紙。
それは、母の初恋のひとからの手紙だった。。
主人公は、なんとか母親に元気になってもらおうとその手紙の差出人、つまり母の初恋のひとを探しに出かけるんですけど、この主人公やその父親、
そして母親の、なんでもない家族の日常がほんとにリアリティをもってわたしの心に入っていきました。
母親の入院で、いつも当たり前だったことが突然当たり前じゃなくなって、、強がりながらも母親に甘える主人公。そんな様子がすごく身近に感じられて、
なんだか主人公の姿がわたしとだぶって見えました。
それに主人公をぶっきらぼうながらも暖かく見守る父親や、ようやく見つけた初恋の相手。はじめはいちいち口うるさく文句をいったりしていやな奴だなって
思っていたんですけど、、物語が進むにつれて、それは主人公に対する優しさの現われなんだなあっていうのが分かりました。

とにかく出てくる人がみんな優しくて、こころのそこから主人公のことを想ってるんだなあっていうのが伝わってきました。
特にクライマックスの満開の桜のシーン。桜の花びらが主人公たちに降り注ぐところでは思わずじんっと来てしまいました。
観た人だれもが優しくなれる、そんな感じの映画でした。
ひさびさに良い’日本映画’に出会えた、日本映画ならではの'風情'を感じさせる作品でした。
『SCHOOL OF ROCK』  2003・米   5月16日(日)
この作品、なんでも全米で公開されたときに見事1位に輝いたということでじつはこっそり楽しみにしていました^^
正直、ロックなんて全然聴かないし、知っているロックバンドといえばエアロスミス(あのリブ・タイラーのお父さんのバンド)くらいなので、
そんなシロウトが観てもはたして楽しめるのか・・・なーんて不安は、最初でいきなり吹っ飛びました^^

物語は、ロックバンドを首になった主人公のデューイが、仕事欲しさに小学校の代用教員になりすまし、そしてあろうことか、なんとその生徒たちと一緒に
バンドを結成してしまうという、ハチャメチャなストーリーです。

とにかく主人公役のジャック・ブラックが面白すぎっ。
自分の受け持ちのクラスに入って、授業を始めるかと思えば「はい、自習!」とかいっていきなり机につっぷして寝始めたり、給食の時間になるとイの
一番で飛び出したり、さらにはお腹が空くと生徒から食べ物を徴収したりと、、ほんと気持ちいいくらいに先生らしくない先生をやってくれるんです。
そんな授業そっちのけの日々を送っているとき、生徒たちが音楽の才能溢れることを知ると、このひと、またとんでもなことを思いついて。。
自分の車からドラムやらギターやらをこっそり持ち込み生徒たちに分け与えて、
「これは半年後に行われる重要な試験のための練習なんだ」とかって生徒をだまして、自分のバンドとして育成させることにして、、
こうしてジャック’先生’による、本格的な「ロック」の授業が幕を開けるのでしたっ^^

まさかこんな作品で良いなあって思うとは思ってなかったのに、、いつのまにかこの先生に感情移入してしまったみたいです。
やってることは無茶苦茶だけど、どうしても憎めない何かがこのジャック・ブラックにはあるみたいで、バンド大会当日のラストのほうでは
おもわず応援してる自分がいました。
ほんとにノリノリで、すっごく面白い2時間を過ごすことができました。(最後の最後、あのテロップの流れるところまで笑わせてくれました^^)
まさに「スクール・オブ・ロック最高!」っていうかんじの作品でした。^^
『KILL BILL -vol.2−』  2004・米   5月13日(木)
去年の10月、劇場で公開された「KILL BILL」VOL.1。その続編で完結編でもあるVOL.2をようやく観に行ってきました^^
ほんとは公開初日に観に行くつもりだったけど、のびのびになってしまい・・・やっと観ることができました;

物語は、前作でザ・ブライドの存在を知ったビルとその弟のバドが出会うところから始まります。
オーレンとグリーンを殺したブライドは復讐をしに必ずやってくる。だから気を緩めずに警戒していろと弟に忠告するビル。
そして場面は一転し、ブライドがなぜ襲撃されたのかという回想シーンへと移り変わります、、

とにかく今回は、前作とはうって変わって、ストーリー重視の作品に仕上がってます。
かつて恋人同士だったビルとブライドとの確執。襲撃の舞台となった教会での問題の一部始終。そして残る復讐の標的となったL、バド、ビルの3人。
とくに映画の後半では、ビルみずから、ブライドを襲撃することになった真の理由を明らかにしたりと、奥深いストーリーだなあって感じさせられました。
・・・が、やっぱりそれだけで終わる監督ではありません。
アクの強いキャラクターたちだって、もちろん今回も健在ですっ^^
謎のベールに包まれていたビルやその弟バド。そして前作でもつよいインパクトを残したL。そんな中でも郡を抜いてすごいインパクトを受けたのが
この怪しげな老人《パイ・メイ》師匠です。
師匠というだけあってこの人、拳法の達人でビルやあのブライドの拳のお師匠さんなんです。
特にビルの修行シーンは笑えるシーンの連続でした。(だってあんなの、映画って言うかほとんど漫画の世界ですよねえ。
ほかにも笑える設定を大真面目に採り入れたりとかして、ほんとに心から楽しんで創ってるんだなあっていうのが伝わってきました^^)

たしかに前作と比べると、派手さでは劣りますがストーリー的にはこちらのほうが良かったです。
とくに終盤のビルの哲学。悪ならでは美学が感じられてほんとにビルがかっこよく映りました。愛していたからこそ憎んだ、深いなぁ・・て思いました。
ただ、、時間がどんどん長くなって2作に分けたこの映画。2作に分けてもまだまだ時間が足りないんだなあっていうのが感じられたのが・・・ちょっと残念
でした;
時間に余裕があれば、もう2作くらいは作っちゃうんじゃないかな・・・?   続編があればぜひ!観てみたいですね^^