−8月をふりかえって−

8月はやっぱり夏休みだけあって超大作がすごく多かったですね。
おかげで、観るのが大変でした。(人気の映画になると、券を買うだけで長蛇の列ができてたり・・・観る前にバテてもう・・)
ほんとは、ここには描き切れなかった映画がまだたくさんあるんですが、それはまた別の機会に、、
(やっぱり絵を描くのが結構時間がかかって・・・でも描くのは楽しいし・・・痛しかゆしってかんじですねえ)

やっぱり超大作ものは劇場で見たほうが絶対良いです。(音が全然違うし、なによりその迫力を肌で感じることができますし)
そんなわけで、見逃してしまった映画は次の月に持ち越すことにします。次の回もお楽しみに。

『猟奇的な彼女』  2001・韓   8月27日(水)
この作品は、はじめはまったく観る気がありませんでした。
けど、レンタルショップで見かけるあのツートンカラーの綺麗なパッケージに惹かれ、ちょっと観てみることにしました。
ストーリーはTVなどで話題になってて、だいたい知ってたので、正直あまり期待せずに観はじめました。
情けない主人公のキョヌが、暴力的で自己中なよっぱらいの彼女と初めて電車で出会い、それからずるずると付き合うことになって・・・

はじめはなんて自己中で我が儘なんだろうと思って観ていたんですが、観ているうちにだんだん感情移入していき、映画が終わるころには
彼女がすっかりにくめない存在に変わってました。
とにかく主人公のキョヌが情けなさ過ぎて、かわいそうを通り越して笑ってしまうんです。
キョヌがそんなだから、彼女のいいなりになって、ほんと哀れで滑稽でした。

初めはいやいや付き合ってたキョヌも、彼女といっしょに時を過ごすうち、しだいに彼女がかけがいのない存在に変わっていってることに
気づきはじめます。そしてたがいにその存在を認め合ったときに・・・
ラスト近くで、彼女のほんとの気持ちがわかって、あぁだから・・と改めて納得させられました。

ほんと、お似合いのカップルの誕生だなって、映画を観終わってから思いました。。

『式日』    2000・日   8月20日(水)
じつは、この作品は前からずっとみたいと思ってました。劇場での上映を見逃してしまったため、ずっとこころの片隅に残ってて、今回やっと
観ることができてようやくつかえが取れた気がしました。
監督は、アニメ「エヴァンゲリオン」で一躍有名になったあの庵野秀明さんで原作はなんと、この映画のヒロインをやっている藤谷文子さんが書いたそうです。そして主人公は、驚くことに映画監督の岩井俊二さん。まるで畑違いなジャンルから迎えられたこれらの面々がどんな演技
をみせてくれるんだろうと期待と不安の入り混じった気持ちでみてみました。

自分の仕事に行き詰まった主人公のアニメーション監督。その目の前に奇妙な格好をした少女が現れます。
彼女に興味をもった監督は、彼女に毎日会いに行きます。でも、かえってくる答えはいつも同じ 「明日は私の誕生日。」
彼女は自ら成長することを拒否し、永遠に来ることのない「誕生日をの前日」を繰り返す日々を送っていたのです。

エヴァンゲリオンを観たひとならわかると思いますが、映画の根底に流れるテーマはエヴァのころからずっと一環している気がします。
それは人と人との関わり合い。人とコミュ二ケーションをとることの難しさ、自分の気持ちを伝えられないもどかしさ
それらがあの、庵野監督独特の映像で淡々と伝わってきました。

エンディングの曲をCOCCOが歌ってると気づいたとき、改めてすごい多能なひと達が集まってできた映画なんだなあと気づかされました。

『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』 2003・日   8月17日(日)
この映画は、はじめ観るつもりではなかったのですが目当ての映画に間に合いそうになかったため、急遽予定を変更し、観てみることに
しました。
といっても大人気のこの映画、上映開始1時間も前にもかかわらず、すでに長蛇の列が出来ててもう…入るまでが大変でした。

やっとのことではじまったこの映画、さすがに人気のことだけはあってすごく面白かったです。
始まりからスッとはいっていけて、ずっとそのままのペースでのめりこんで、気がつくと「えっもう終わり?」ていうかんじでした。
なんていうか、話の展開がとっても心地よくて途中でだれることがないんです。だから、気がつくと映画にすっかりのめり込んでて終わる
ころには2時間じゃものたりない、もっとつづきを見せてって思ってしまいました。
ほんとに青島くんやすみれさんたちと別れるのが寂しくて、ずっと席を離れたくないって本気でおもいました。
こんなに映画の登場人物に思い入れをして観た作品は、ほんとにひさびさのことでした。
やっぱり続編ものだけあって、前作を観てればなるほどなっと思わずニヤッとしてしまうような場面もいくつか登場してきました。
大人から子供、果てはマニアの方達まで、誰もが楽しめるエンタテインメント性溢れる娯楽映画だなあと思いました。
『シティ・オブ・エンジェル』 1998・米   8月15日(金)
この作品はわたしの大好きな映画で、もう何度となく観ている作品です。ふとレンタルショップで見かけ、もう一度観てみたくなりました。
ストーリーは、決して人間に見られるはずの無い天使が、自分をじっと見つめる人間に出会い、そして恋をしてしまうといったものです。
この映画にでてくる天使たちは人間に何もしません。ただ、優しくそっと見守っているだけです。
決して人間には干渉しないで、そっと寄り添って見守るだけ。だから、においや感触といった、「感じる」ということができないんです。
感じるといったこととは無縁だった天使のセスは、それゆえにとまどってしまいます。
人間のマギーのことを愛すれば愛するほど、感じることができない自分に悩み、歯がゆい思いがつのっていきます。
知り合えば知り合うほど、すれ違っていく二人。どうしても埋められない、天使と人間という二人の深い溝。
ひょんなことから知り合った元天使から、人間になる方法を知ったセスは人間になりたいと強く思うようになります。
そして、セスはとうとう・・・
とにかく、何回みてもいい映画だなあって思います。観れば観るほど、その奥にひそむ深い意味に気づされて、とても一言では
語れません。
天使の存在が信じられなくなった現代。だからこそ見てほしい一本です。
『ターミネーター3』 2003・米   8月9日(土)
この作品は、前作からいったいどう話が繋がるのか気になって、ずっと観たいと思ってました。
お盆休みにはいったせいか劇場は満員ですごい人だかりでした。
内容のほうは、はじめからいきなり敵役のターミネーターが登場するなど、のっけからハイテンションで進んでいきました。
シュワちゃんの登場シーンは前作同様、自分と体格のあったひとから奪い取るんですけどこれがなかなか笑えました。
サングラスのシーンとか、車のキーとか、前作を見た人ならぜったいウケること間違いなしです。
あと、なんといっても見どころは2人のターミネーターの対決シーン。
ロボットならではの超重量級の戦いで、相手を掴んではあちこちに叩きつけて、どんどん建物を壊していくんです。
掴んでは投げ飛ばし、取っ組み合っては防御なんて無視でどんどん殴りあったりして、ほんとすごいシーンでした。
ストーリーも、すごく面白くて、なぜ再びターミネーターがやってきたのかとか、審判の日はどうなったのかとか、なるほどなあ
と思わせる展開でした。ラストの終わり方も、ああって感じですごくよかったです。
思ってた以上に楽しめて、ほんと意外な一本でした。
映画『スパイダーマン』と漫画「スパイダーマン」2002・米 1969・日   8月6日(水)

このまえ、なにげに本屋に立ち寄ってみるとふと「スパイダーマン」の文字が目にはいってきました。
それは、アメコミのを原作として日本で昔に連載されていたものをコミック文庫版化したものでした。
そこで、面白そうだと思い、去年公開された映画版と見比べてみることにしました。
驚いたことに、昔の漫画も映画版とほとんどかわりなく、壁にくっついて登ったり、腕から糸を出したりといったシーンがきちんと
描かれていたんです。こんな昔の漫画に、映画で見たあのシーンが出てきてるなんてちょっと感動しました。
それと映画版でもそうだったんですが、主人公がヒーローであることに常に疑問をいだいているところも共通してました。
ヒーローだからといって、決して完全無欠なわけではなく常にこれでいいのかという悩みをかかえ、葛藤のなかで生きているん
だなあと思いました。
あと、あのぴちぴちのコスチューム。あれを自分で造ってるところも共通してました。
だれかに頼んだりしては、そこから正体がばれてしまうので自分で造るしかなかったんでしょうね。
ヒーローになるためには手先も器用じゃなければいけないんですねえ。

『茄子 アンダルシアの夏』2003・日   8月2日(土)

これは、映画館で流れる予告編を観たときから、ずっと観ようと思っていた作品です。
47分で1000円、ちょっと割高かな・・と思ったけど、全然そんなことはありませんでした。
ストーリーはレース中の47分間を、そのまま切り取ったような展開で進んでいき、レースに参加中の主人公に彼を応援する
仲間たち。それらがあいまって、まるでそこにいるかのような臨場感を感じました。
なかでもレースのシーンは臨場感まんてんで、ラストに向けて体力を温存するグループ、一気にスパートをかけるグループ
様子をみて相手の出方を探るグループなど、ただ単純にはやく走れば良いだけじゃなく、さまざまなかけひきがあるんだなあ
と思いました。
とくに市街地にはいり、一気に勝負をかけるシーンは圧巻で、すごい迫力でした。スピード感もあり、ほんと息をもつかせぬ展開
でした。
時間もストーリーにちょうどぴったりな感じで、観てよかったあと思った一本でした。