カチャ…
シャカシャカシャカシャカ…
「おあ。なかなか泡だたねーぞ…コレ;」
カシャカシャカシャカシャカ…
「おお。六分立て位になってきたぞ」
台所で何か作っているのは珍しくも(おい;)時任。実は今日は2月14日。
そうなのです。
言わば日本で騒がれている騒ぎの中の一つであります"バレンタイン"なのです。
「コレをタルトに入れてトッピングだな…」
相変わらず一人でブツブツ言いながらも最終段階に到着した模様。
バレンタインにはもう一つ添えて
現在、久保田は外出中。なので堂々と台所に立てる。と言うのも、モグリに頼んで連れ出して貰った。多分、依頼が…とか言ったのだろう。いつもの笑顔で快く引き受けてくれた。
「おっしゃ!完璧!!」
出来上がったモノを冷蔵庫へ。久保ちゃんが帰ってくる頃には出来上がっている筈だ…;
次は買い物〜♪と財布片手に家を出てとある店へ。
「ただいまぁ〜」
ガッチャン、とドアが開かれ久保田が帰ってきたのに、いつものようにお帰り〜と返し何事もないように振舞い、久保田が帰りがけ買ってきたもので夕飯を済ませる。
「久保ちゃん」
「ん?」
風呂上りでのんびりしていた時に先ほど作っていた物を渡す。
久保田はというとピンクの包装紙の赤のリボンでラッピングされた箱と時任とを交互に見ていた。リボンの結び目辺りには一輪、赤い色の花が沿えてある
「今日、バレンタインだろ?」
だから作ってみた。と言えばどこかはにかんだ笑顔をした。
「アリガトね。って作ったの?」
「おう。買うのも良いけど何となく作ってみただけ」
たまにはイイだろ?
「うん」
ありがたく戴かせて頂きますv
おう
「で?この花は?」
一輪だけ買ってきたの?と聞くと余程恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしてしまった
「そだよ!悪ぃか!!」
恥ずかしかったんだぞ!彼女にですか?とか聞かれて(/// ̄□ ̄///;)
彼なりの照れ隠しなのだろうか
「あ。でも味見してねぇから味の保障はできねぇぞ」
「ん?おいしーよ?コレ。食べる?」
言うが早いが時任の唇に自分のを軽く押し付けた。
「あま…」
「チョコだしねぇ。まずお礼は一割ってねv」
取りあえず頂きますvと時任にのしかかる。
「取りあえずってどんなだーーっ!!ってか!いらんから退けぇー!!」
あがいてみるも体型からいってまず無理だ。
「ったく。しょーがねーなー…」
抵抗を諦めて大人しく久保田の背に腕を回す
「甘やかし過ぎか…?」
久保ちゃんの事…まぁイイか。今日ぐらいは。っていつもか?
「ん?何か言った?」
小さくぼやいたので聞こえなかったらしい久保田が聞いたが、気のせいだと誤魔化した。
翌日…
久保田はいつものように皓の所を訪れた
「そういえば、この花って何て言うんです?」
そう言って差し出して見せたのは昨日、貰った一輪の花。
「ああ。これは"ニオイアラセイトウ"という花ですよ。チュイランサスともいいますけど」
久保田さんも愛されてますねぇ
「へ?」
そうなんですか?と言外に言うと知りませんでした?と逆に聞かれてしまった
「"ニオイアラセイトウ"の花言葉は"愛情の絆・逆境にも変わらぬ誠"という意味
があるんですよ」
だからです
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遺 書
甘くなってないような気がする以前に本当に久保時か!?
こんなんで良かったらお持ち帰りOKのフリーなのでお持ち帰り下さい。
その時、事前でも事後でも良いのでBBS等で教えて下さると転げまわって喜びます(笑;)
その時は遊びに行かせて頂きますねv