2004/07/04(日) 繋がり

人間ってどこで繋がっているか分からないものです。偶然知り合いになった人が友達とも知り合いだったりとか、毎日通勤途中で見かけていたヤツが実は知り合いの旦那さんだったりとかして驚いたり、世間は広しと言えども活動範囲が狭ければ、意外なところで人間との繋がりがあったりするものです。もしかしたら僕も井上真央ちゃんと繋がってるかもしれないな。いや、井上真央ちゃんとまではいかなくても、せめて若槻千夏あたりと繋がっていれば恩の字だ。

僕の仕事上のお客さんも意外なところで繋がりがあって驚いたりします。個人経営の八百屋さんとかで、思いっきり離れたところにあるお店同士が知り合いだったり、これまた思いっきり離れた場所にある会社と工場が知り合いだったりして、何だか妙に関心させられたりしますね。お客さんから得意げに「○○市にある○○って店の社長と知り合いなんだよ」とか言われて、何て答えていいか分からず「ふーん、そうなんスか」と愛想良く答えたりするのです。知るか、そんな事。

僕が昔勤めていた建築関係の会社に、専属のトラック運転手が入社してきたことがありました。年の頃なら50前後、丁度僕の親父と同い年くらいのおっさんでした。何でも勤めていた小さい運送会社が潰れてしまって、ほうぼうあたってその建築会社の社長を紹介してもらったそうです。ここでも人との繋がりの大事さが伺えますよね。ほんと人脈って大事ですよね。

僕もアレかな、パチンコ屋とかで話かけてくる薄汚いおっさんに愛想良くした方がいいのかな。知らない人と口利きたくないからいつもシカトしてるんですけど、もしかしたらとんでもなく英国紳士で、お宝鑑定団に出したら4000万とかする不思議なボレロとか貰えるかもしれないね。あの薄汚いジャージは仮の姿で、実は家ではシャム猫を撫でながらバスローブを着てロマネコンティとか舌で転がしているに違いない。よし、今度話かけられたら愛想良く「ふーん、そうスか」と答えてやろう。

話を元にもどします。そのおっさんが、これまた凄く感じの良いおっさんでした。30以上も年下のウザドカチンの僕達にも「いやぁ、君達の方が会社では先輩ですから」とか言って敬語で喋ってきていましたし、工事現場に資材を届けに来た時もお茶やお菓子の差し入れを持ってきてくれたりと、とにかく気遣いの行き届いた人だったのです。

そのおっさんが入社したのは確か10月頃でした。1ヶ月もすると、その人柄の良さから僕達ウザドカともすっかり仲良くなりました。おっさんが1人でトラックに荷物の積み込みしてれば手伝ってあげたり、その人はパチンコも好きだったので会社帰りに皆で一緒にパチンコ屋に行ったりしました。今でも良く覚えています。「いやぁ、2万使って1回も当たらなかったよ。まいっちゃったなぁ」と爽やかな笑顔で言っていたのを。まぁ僕は「そんな回らない台打ってんだから当たり前だろ」とか内心思ってたんですけど、とてもそんな事言えなかったので「まぁそんな時もありますよねー」とか答えてました。

そんなこんなで年末になり、会社の忘年会が催される事となりました。当然おっさんも僕らウザドカも参加しました。酒も回って宴もたけなわになった頃、僕はおっさんと一緒に飲んでいました。最初は酒の席でのくだらない下世話な話で盛り上がっていたんですけど、僕はフとある事を思い出しておっさんに話題を振ってみたのです。

僕:「そういや、俺の行ってた○○高校の生徒会長がとんでもなくイヤミな野郎でさ、ちっとくれぇ勉強が出来るからって調子こいてたヤツがいたんスよ。結局大学受験も全部失敗したらしいんだけどさ、その野郎はおっさんっと同じ苗字なんスよね。ったく苗字が一緒でも全然違うよなぁ」と。するとおっさんは一言







それ俺の息子だ・・・


ああああああああああああ。いや、そんな。え?なんて?いや、ウソだろって。え?マジ?いや、あの、アレ。もうなんていうか、死ね俺って感じで。

そう、このおっさんの息子が僕と同級生の生徒会長だったのです。もう震撼した。全米が震撼した。あのバツの悪さったらないな。うん、他では味わった事の無いバツの悪さ。なんつーか、嫁に得意げになってプレゼントした指輪が実はパチンコの景品だとバレたみたいな。いや、そんなもんじゃない。もうとにかく万死に値するバツの悪さだった。

その後おっさんは僕と口を利くことなく、何故か1月には辞めてしまいました。あれってやっぱり僕のせいだったのだろうか・・・。


体重:63.8kg  アブラの地上絵:17%

僕はこの事件をきっかけに人に対する気遣いというのを学んだ気がします。有難う、おっさん。僕は生涯アナタを忘れる事はないでしょう。例えアナタの息子が調子こいた大学受験失敗野郎でも。

→BACK