もりのしまりすとうちのしまりす |
第1回 春がきた
第2回 恋の季節
第3回 誕生
第4回 独立
第5回 秋の訪れ
第6回 長い冬
●はじめに●
この文章はNIFTY-Serveペットフォーラム(現:ペット哺乳類フォーラム)にて1993年3月から4月にかけて登録し、その後データライブラリに登録したものをホームページ用に修正したものです。(NIFTY-Serveでの登録先はペット哺乳類フォーラムデータライブラリ3番#3,4)
●参考資料●
●主な登場りす●
うちのシマリス、りすこ
北海道・斜里の森のシマリスたち
どこかの森のエゾリスやニホンリスたち
第1回 春が来た |
桜の花もほころび、わたしたちの街にも春がやってきました。公園を通りかかると、梅の花でしょうか、散っていたので花を拾い集めて家に持って帰ります。りすこにも、春の香りを楽しませてあげましょう。
お花見でわたしたちの街がにぎわう頃、北海道ではやっと海明け(流氷が岸を離れる)を迎えます。雪はまだまだ積もっているけど、オスのりすたちは、メスよりも一足先に冬眠から醒め、地面の奥深く掘った巣から出て来て雪の上を走り回っています。夜明け前の朝4時から夕方6時頃まで、元気いっぱいなのです。
ほら、りすこ、もう春だね。
と、どうでしょう。りすこは花をめでるどころか、むしゃむしゃと食べ始めてしまいます。花や、出たばかりの若芽は、春先にはりすの大好物なのです。でもまだ雪深い、北のりす達はなにをしてるんだろうね、りすこ。
メスたちがおっきなあくびをしながら地下の巣から出てくるのは、わたしたちの街では葉桜の緑がきらめく4月下旬から5月にかけてのことです。冬眠から醒めても朝10時から2時まで、たった4時間くらいしか活動をしないのです。
そうかりすこは森にいたら、まだまだ雪の下で寝ているんだ。どうりで毎日こたつ布団の中や、エアコンの上でまあるくなって寝ているんだね。こたつ布団の中は、地面の下のつもりなの?
「1回目はこんなお話、なんか質問ある?りすこ」
「ん〜と、そんなにずっと冬眠してるの?」
「そうよ、1年のうち160日から230日も冬眠してるのよ」
「ぢゃあ、りすこにもよく分かるよ〜に、表にしてよ」
「おっけぇ」
月 | オス | メス | こども |
---|---|---|---|
1 | 冬眠 | 冬眠 | − |
2 | 冬眠 | 冬眠 | − |
3 | 冬眠 | 冬眠 | − |
4 | 冬眠/交尾 | 冬眠 | − |
5 | 交尾 | 交尾 | − |
6 | 活動 | 出産 | 誕生 |
7 | 活動 | 育児 | 誕生 |
8 | 活動 | 活動 | 独立 |
9 | 冬支度 | 冬支度 | 活動 |
10 | 冬支度 | 冬眠 | 冬支度 |
11 | 冬眠 | 冬眠 | 冬眠 |
12 | 冬眠 | 冬眠 | 冬眠 |
第2回 恋の季節 |
りすこにも初恋の季節がめぐってきました。
5月始めの森の中は、もう大騒ぎです。オス達は地面のオシッコのにおいを嗅いでメスの巣を見つけ、その回りをうろうろしています。何匹ものオスが1匹のメスをめぐって戦いを繰り広げています。
いちばん強いのは2才、次が3才、1才の順です。でもあんまりオスたちが激しく争っていると、メスはその場を離れてしまうので、1才でもチャンスはあるのです。
メスが交尾できるのは年にたった1日だけです。戦いに勝ったオスはメスを勝ち取り後ろから ...(モザイク)...のです。たった1日しかチャンスがないので、りすこの夫となるりすには「通いりす夫」ではなく、正式に縁組みしないとだめそう。そう考えるとやはり最初からつがいで飼った方がいいのでしょう。
交尾が終わるとオスはもう素知らぬ顔です。のんびりとひなたぼっこで、移りゆく季節をながめています。のんびりしたものです。(人間と一緒?)
メスはたったひとりで、出産の準備を始めます。大きくなったお腹を抱え、出産するための巣(地下)作りのために枯れ葉を集めては巣に運び込みます。活動している時間もオスは2時間ほど寝坊になるのにメスは早起きになっていきます。誰の手も借りず、ひとりでがんばります。
この頃のメスはかなり攻撃的になり、そばへくるオスやメスを激しく追い払うようになります。
「りすこ、今日の話は....あら何赤くなってるの?ああっモザイク消し!どしたのこれ」
「あらみさんちのりすくんから借りたのぉ...」
「んで修正無しを見ちゃったんだ。りすくんにお礼したの?」
「うん、どんぐり3つ」
「....しょ〜がないなぁ。まあ、あんたもやるんだから(おっと失礼)勉強になった?」
「まぁまぁ、かなぁ。ちょっとドキドキしちゃった」
「話代えちゃお。季節別りすの食べ物のはなしね」
☆早春〜春/冬眠前に埋めた木ノ実(自分が埋めたものと限らない、他人の物は自分の物)木の芽、草の芽、花、ハルニレやヒカゲスゲやサクランボの種(果肉は食べない)
☆初夏〜夏/草の種、イチゴやキノコ、木の樹液、鳥の卵、鳥のヒナ、セミやクワガタ、カタツムリ
☆秋/クルミ、ドングリ
「ねぇ、あたしの仲間ってば鳥のヒナも食べちゃうのぉ、セミさんも?」
「そ〜よ、子育ての時は動物質をとらないと。ちょっと聞いてて」
『セミは頭からかじりますが、クワガタはハサミのあるかたい頭をさけておなかから食べます。頭やはねは残します。』『(略)シマリスの口には、羽がはえかけたばかりのヒナが一羽しっかりくわえられ、ヒナの足が口のよこからつきでていました。親鳥の悲しそうな鳴き声をよそに、その木の根元でヒナを頭からかじり、十五分かけて骨も足も全部食べてしまいました。』
(「森のシマリス」より)
「うひゃあ」
「りすこはチーズとかで我慢してね」
「...でも食べてみたいよ〜な」
「こら。食べ物がらみでちょっとこれはいいハナシかな、今日の最後にりすこ、聞いててね」
『ヒッコリーとハイイロリスは、大昔にこんな契約を結んだのだ。あなたは、私のために私の実を埋めてください。つまり、わたしの子供を植えつけるのです。その労力に対してわたしは埋めた実の95パーセントをあげましょう。でも条件があります。残りの5パーセントは食べないで、ヒッコリーの木に成長する機会を与えてください。/これが文章に書かれていないが、お互いに拘束力を持つ取引なのだ。そしてこの取引は今でも、毎年見ることができるのである。』
(「リス」の中の”旗尾リス”(シートン)の引用より)
御出演多謝>あらみ宅りすくん (第2回おしまい)
第3回 誕生 |
交尾の日から30日、地下巣の中でシマリスの子供達が誕生します。3〜6匹の子供達です。シマリスよりだいぶ大きいエゾリスの子供でさえ生まれたときは5センチくらいです。もちろん眼も耳もあいてはいません。
母リスは、自分の食事の為だけには外に出ますが、あとは巣の中で子供達を守っています。凶暴でわがままなりすこも、母になったらそうなるのでしょうか、ちょっと心配です。
ひと月もすると仔リス達もだいぶ成長します。初夏の光の中、外の世界に飛び出していきます。でもまだ自分達で食事をとることは出来ないので、少しだけの探検をしたら巣に戻って、母リスの帰りを待ちます。ほほ袋をいっぱいにした母リスが、その中身とお乳をあげにくるのです。
仔リス達が大きくなると、母リスは夜は別の巣で寝るようになります。
しかしそう考えると、わが家のこの狭い空間に、りすこ、りすこのだんな、仔リス達の3つの巣がなくてはいけないという事になります。りすこ、あんた子供できたら、家賃取っていい?
さて、家の中なら安心ですが、森には敵もいっぱいです。キツネやイタチ、ワシやタカなどの鳥たち。街の近くのリスにとっては、交通事故も気をつけなくてはいけないものです。仔リス最大の敵はヘビです。巣に進入して仔リスを飲み込んでしまうのです。ですから母リスは木のうろからうろへと、仔リスを連れて何回も引っ越しを繰り返すのです。
仔リス達の冒険の時間が長くなり、巣に戻らない日も多くなりました。一人立ちの日が、近づいてきたのです。
「仔リス達はひとりで大丈夫なのかかぁ〜」
「どうかしらね、りすこ。それはまた次回のお楽しみね」
「うん。ねぇでも敵ばっかりじゃあないよね。どんな動物達が、あたしたちの仲間?」
「よし、ではリス達のご先祖様のお話から始めましょう」
もっとも古い齧歯目:5,500万年前、パラミス(リスに似ている)が出現。2, 500万年前には、リス科リス属はもう出現し、現在と同じ姿を保っている。7−5万年前、種類を増加させ、現在哺乳類の中で最も繁栄している目となっている。
「最も、ってどのくらいなの?」
「29科396属1,749種もあるの」
「すごいねぇ。どんな友達がいるのか、教えて」
「じゃあ、リスの仲間をね」
齧歯目−ヤマアラシ亜目 ネズミ亜目 リス亜目−ヤマビーバー科 −ヤマビーバー属−ヤマビーバー リス科 −リス属 −ハイイロリス ニホンリス キタリス(エゾリス) 他24種 −タイワンリス属−タイワンリス バナナリス 他13種 −マーモット属 −14種 −プレーリードッグ属−オグロプレーリードッグ 他14種 −ジリス属 −36種 −シマリス属 −シマリス タカネシマリス アカシマリス チビシマリス ミミナガシマリス 他15種 −ムササビ属 −(ホオジロ)ムササビ 他4種 −モモンガ属 −ニホンモモンガ タイリクモモンガ ゴリュウモモンガ ホリネズミ科 −5属 −34種 ポケットマウス科−カンガルーネズミ属−60種(科計) 他4属 ビーバー科 −ビーバー属 −アメリカビーバー 他1種 ウロコオリス科 −ウロコオリス属−7種(科計) 他2種 トビウサギ科 −トビウサギ属 −トビウサギ(出典:「動物大百科5小型草食獣」)
「ムササビさんやモモンガさんはいいなぁ」
「なんで?りすこ」
「だって空飛べるんだよ」
「あんただってうちの壁から壁へ飛んでるじゃん」
「まあね、フフン」
「あれ、でもこの中でシマリス属って小さいほうかもしれないな」
「それだけカワイイってことよねぇ」
「図々しいコ」
「ね、ね、ところで仲良しのハムスターは?モルモットやスナネズミは?ヤマネは?ウサギさんもいないね」
「ああ、ウサギは齧歯目じゃなくてウサギ目、ウサギ科やナキウサギ科の仲間なの。ハムスターはネズミ亜目キヌゲネズミ亜科の仲間、スナネズミはアレチネズミ亜科の仲間、ヤマネはそのまま、ヤマネ科ヤマネ属。モルモットはなんとテンジクネズミ亜目テンジクネズミ科テンジクネズミ属なの。」
「ひゃぁ、なんだかすごくて、りすこわかんないよ」
「みんな仲良しってことよ」
(第3回 おしまい)
第4回 独立 |
りすこは生後何ヵ月で、親から離されたのでしょう。うちに来たのは5月の終わり、まだ子供の顔をしていました。
森の中を覗いてみます。1匹また1匹と、仔リス達は母親の元を巣立ってゆきます。残っている仔リスがいる限り、母リスは餌を運び続けます。そんなある日、巣に仔リスがいなくなります。すべての仔リス達が、ひとり立ちしたのです。オスの仔は生まれた土地をあとにして遠くへ旅立ち、メスの仔は母リスの近くで生活をするものもいます。
生まれてから2カ月、母子の結びつきは、終わります。
ひとり立ちしてしまうと、すれ違っても母と子はお互いに無関心です。
....りすこのおかあさんは、どんなリスだったんだろう。りすこはもっと長くおかあさんの近くにいたかったのでしょうか。そしてりすこは、どんなおかあさんになるんだろうな。ちょっと心配な気もします。
仔リスが独立すると間もなく、大人のリス達はもう冬眠の準備を始めます。北の短い夏は、終わりに近づいたのです。
「あっという間にひとりになっちゃうんだね...」
「どしたの、りすこ。おかあさんのこと思い出したの?」
「うん...今年の春もあたしの兄弟生んでるのかしら」
「ぢゃあ、おかあさんに代わって昔話してあげよっか」
「うん!」
「りすのでてくる民話をいくつかね」
北欧神話:宇宙全体を貫いて立つ世界樹イグドラシルの一番上にいて全宇宙を見渡している巨人フレスヴェルグと根っ子にいて世界樹を倒そうとしている毒竜ニドヘグは大変仲が悪い。なぜかというとこの樹の枝に住んでいるラタトスクというリスが二人の間を動き回っては互いの悪口を言い触らしているからなのである。
メキシコ昔話:小鳥に胸をつつかれて処女妊娠した少女マリアが森で、楽しそうにブランコをしているりすマルティーニョに誘われてブランコに乗る。マルティーニョはブランコの蔓の具合を見ると言って蔓に歯で切れ込みを入れた上に強くブランコを押してマリアを飛ばして死なせてしまう。死んだマリアから生まれた二人の兄弟が、太陽と月になった。
アメリカインディアンの伝説:旅をしていた1匹のリスは大きな湖の湖畔でどうやって渡ろうかと考えた。そして木の皮を浮かべた上に乗って尻尾を高々と上げて風を受け、向こう岸まで無事に着いた。それを見たインディアンの祖先は初めて「帆」を知った。以来リスは船乗りの祖先ということになっている。
「ねぇちょっとぉ...始めの2つはひどい!」
「アイヌの人たちには、冬に地獄へ行く奴(ニスイクルクル...冬眠するから)とか、悪いもの(ウエンベ)とか言われてるのよ。警戒の声が人を小馬鹿にしているように見えたり、前足をあげてるしぐさが拝んでいるようで不吉だったりするから」
「ひどーい」
「朝リスを見るとその日の狩はだめなんだって。でもアメリカインディアンの諺には、旅行者がリスを見ると幸運になるってのもあるよ。カラフトとかシベリアでも神様の化身だったりするの」
「よかったぁ」
「では最後にシンデレラ秘話を。お城に忘れていった靴は実はガラスではなく、リスの毛皮の靴だったのです。フランス語でリスの毛皮をVAIRっていうんだけど、誤植でVERE(ガラス)になっちゃったんだって」
「ふぅん、そうなんだぁ。靴にされちゃうのはヤだけど、シンデレラのお話には、出たかったなぁ」
「いっとくけどシマリスじゃないと思うよ」
(第4回おしまい)
第5回 秋の訪れ |
りすこと一緒に飲むビールがまだまだ美味しい8月の終わり、森の中ではもうシマリス達が冬の準備を始めています。北国の秋は足早に通り過ぎようとしています。
森で一番たくさんあり、大切な食べ物はドングリです。熟して雨のように降ってくるドングリを拾い、堅い皮をくるくるとむいてはほほ袋に詰め込んでゆきます。地面に穴を開けてはドングリを埋めていきますが、自分で埋めた物は自分だけが食べるわけではありません。他のリス達やネズミ達の食料にもなるのです。忘れてられてしまったドングリは春、芽を出します。
冬の間を過ごす地下巣にももちろん餌の貯蔵を忘れません。冬眠の他にも子育て、昼の休憩にも使われる地下巣の巣室は、地表から直径5cmのトンネルが2mにわたって続いたその突き当たりにあります。広さは奥行き25cm、横幅21cm、高さ20cm、この空間がシマリスの冬の住まいとなるのです。地上からの深さは76cmくらいの、砂の層に作られます。
地下巣に蓄えられる餌はおもにドングリで、700〜2,000個、重さにして1.5kgの量にもなります。餌以外の空間には、柔らかい布団の代わりに枯葉がびっしりとつまっています。
こうして早い時期から冬眠の準備を始めるシマリス達は、大人のメスから冬眠を開始します。次に大人のオスが地下巣に入り、初めての冬を迎える子供達は、大人達が眠りに就き始めた頃やっと冬眠の準備を慌てて始めるのです。
もうすぐ北の大地は、雪でおおいつくされます。
「ねぇなんで子供のりすは大人の後で準備を始めるの?」
「大人が邪魔するんだって。だから大人のりす達が冬眠に入ってからやっと落ちついて冬眠の準備を始めるの」
「何日ぐらい違うのかなぁ」
「じゃあ、川道先生の「シマリスの冬ごし作戦」の表を見てみようか」
冬眠を開始した日
平均日 | 早いもの〜遅いもの | |
おとなのメス | 10月10日 | 8 月30日〜11月 3日 |
おとなのオス | 10月22日 | 9 月 8日〜11月16日 |
子どものメス | 10月26日 | 9 月19日〜11月20日 |
子どものオス | 11月 3日 | 10月 4日〜11月15日 |
第6回 長い冬 |
遥か遠くまでどこまでも真っ白な北国の森、その地下深くでシマリスたちはぐっすりと冬眠を始めました。
深い深い雪の下で、シマリス達は眠っています。春の森を夢に見ながら。
冬眠期間に入ってすぐの頃は、まだうとうととしている程度です。地下巣の入口には土で軽く栓をして、時々眼をさましては餌を食べます。寝る場所とはきちんと別の場所に作ってあるトイレにも行きます。
冬が厳しさを増してくると、シマリス達は本格的な冬眠に入るのです。
まず、巣からもう一本トンネルを掘り、その土で元のトンネルを入口近くまで埋めてしまいます。なぜでしょうか。敵から身を守るため、餌を盗まれないため、気温などの影響を少なくするためなどの理由が考えられるようです。
しっかりと戸締まりをし、シマリスは無防備な眠りに入ります。
体を丸め尻尾を体に巻き付けます。呼吸数は減り、体温が下がります。活動期間には38度もある体温が8度くらいにまで減ってしまうのはなぜでしょう。長い冬眠期間を、巣の中に蓄えた餌だけで生きてゆかなくてはなりません。真冬の気温の中で38度の体温を維持していく為には大変なエネルギーが必要です。そこで彼らは体温を下げるという方法をとった訳です。
酸素が少ない中で体温も下げ、蓄えた食べ物が底をつくこともあるかもしれません。冬眠は、シマリスにとって危険な行為ではないのでしょうか。ところが活動している時期に比べても冬眠は、とても安全な期間なのです。体重もほとんど変化することもなく、春に向かってぐっすりと眠っているのです。
「りすこ、これでこのお話はおしまいよ」
「そうなのぉ、寂しいな」
「またそのうちふたりで出てこようよ」
「うん...森のみんなに早く春が来るといいなぁ」
「参考に使わせて頂いた本を皆さんに紹介しようか、りすこ」
「そうだねぇ、みんなにも見てほしいなぁ」
『森のシマリス』1年間のシマリスの生態が書かれている。写真が豊富なのが嬉しい。
『シマリスの冬ごし作戦』冬眠のシステムを中心に書かれている。観察記録風にまとめてあるので、川道さんの苦労がよくわかる。
この2冊は、対象年齢としては小学生くらいの様だが、内容は非常に充実している。
『リス』リス全般について、科学的なことから昔話まで網羅されている。シマリスよりはエゾリス、ニホンリスが主役。
「ねぇ、りすこ。このお話、みんなが読んでくれたんだよ。お礼しようね」
「うん。えっとぉ、読んでくれてありがとう。あたしたちの森の仲間のことを知ってもらえて嬉しかったです。またねぇ」
(第6回 おしまい)
これで、この連載は終了です。
連載中にエールを送ってくださった方々、読んでくださった方々、どうもありがとうございます。前より少しでもシマリスに興味を持ってくださったらうれしいと思っています。もっと知りたいと思われたら、参考資料としてあげた本を是非、読んでみてください。
最後になりますが、この文章作成にあたり、川道美枝子先生、山本祐治先生の著作をおおいに参考にさせていだだきました。本当にどうもありがとうございました。今後のご研究のますますの発展をお祈りします。
りすこちゃんにもありがとう。
background by ふぁんし〜・ぱーつ・しょっぷ