しまりすと暮らしたいあなたへ |
ペットショップでしまりすを見かけて、「ああん飼いたい」と思ったあなた。
ペットショップのおねえさん(あるいはおにいさん、あるいはおじさん、あるいはおばさん)に「よく馴れますよ〜」「手乗りになりますよ〜」「首輪もご一緒にどうぞ」って言われたりしなかったですか。
しまりすは本当にかわいい動物です。食べちゃいたいほど(うそ。食べたくはない。あまりおいしそうではない)大好きです。でもね、誰にでも簡単に飼えるのかなあと思うことがあるんです。だいたい「簡単」ってなんだろう。よく、「ペットの飼い方」みたいな本に、「飼育の難易度 シマリス−容易」なんて書いてあるけどね、簡単に飼える動物なんていないと思うのよ。「ただ生きてる」状態で飼うだけならそりゃあ誰にでもできるかもしれないけど、健康な状態で飼うことは、決して簡単なことじゃないんですよ。
しまりすに限らずどんな動物を飼う場合でも、動物たちと同じ視点になれるということが大切なんだと思います。
で、しまりす。
野生動物なんだから馴れないのはあたりまえ。馴れたらラッキーくらいの気持ちでいましょう。
しまりすに首輪つける必要がどうしてあるのでしょう。しまりすに首輪は必要ないと思うけどなあ。
すっごいいい子だったのに突然性格変わって、凶暴な噛みリスになることもあるのは絶対知っておいてね。元に戻ることもあるし戻らないこともあるです。
もともと単独生活をしている動物です。小さい時から同居させていても喧嘩をするようになり、殺し合いにまでなることもあるのだから、仲が良くないかな?と思ったらすぐ別居させてね。繁殖期にだけ一緒にしても繁殖は可能だから。
私たちが飼うしまりすは、日本にいるしまりすではないのです。外来種(移入種/帰化種)です。捨てられたり逃げたりしたしまりすたちは、日本の生態系を破壊しちゃうおそれだってあるんだよ。「森に返す」なんてことはぜーーーーったいにしちゃいけません。そんなら最初から飼うんじゃありません。
しまりすの主食はヒマワリの種じゃありません。ひまわりの種だけ食べて生きてる野生動物なんているのだろうか。
1冊の飼育書だけを信じないで、たくさん読んでなにが本当なのかを知る努力をしましょうね。いろいろな方のホームページに「飼い方」が書いてあるけど、それはその家でのものであって別の家のリスには適していないことだってあるはず。どんな情報でもすべて鵜呑みにするんじゃなくて、「この情報の根拠は?」って考えてみましょう。ここに書いてあることも、もちろんそうしてくださいな。
しまりすは野生動物です。どうか、野生ではどういう暮らしをしているのかを知って、飼ってあげてください。
しまりすは本当にかわいい動物です。森の息吹を部屋に運んでくれます。しまりすを飼うなら、あなたが木々になってあげてください。あなたが大地になってあげてください。あなたが空になってあげてください。
1級愛玩動物飼養管理士 大野瑞絵
background by Angelique