すなたちの部屋 すなねずみ繁殖記録 [index] [どうぶつ部屋] [わたし部屋] [企画モノ部屋] [掲示板(animal)| 掲示板(etc…)] [営業案内] [サイトマップ] [mail to]

  すなねずみ繁殖記録

赤ちゃんすなーずの成長の様子はすなねずみ成長写真館 をどうぞ!


明るい家族計画

1996年の初夏から、うちには白いスナネズミがいる。ペットショップで買ってきた子だ。名前を考えるのがめんどくさかったため(ひどい)「しろくん」と名付けられた、オスのスナネズミだ。白いスナネズミは、時としてスナネズミに見えない。ラットみたいだ。ラットもかわいいからいいけど。
そして8月、ノーマル色スナネズミペアから9匹の子どもが生まれた。白のメスがいた。彼女は「しろいこちゃん」(理由は同上)と名付けられた。

白同士だとどのくらい白が出るんだろう?とか、ちょっとある事情があって赤ちゃんスナの写真が必要だったり、とか、なんといってもかわいい仔スナを見たかった、とかいろいろな理由で、繁殖させることにした。
スナネズミは集団性の動物だし、ペアの絆がとても強い(うらやましいぜ)動物ではあるけれども、繁殖させる場合には性成熟する前にペアにしておく必要がある、と書籍には書いてある。
しかし、そもそも「しろいこちゃん」の親だって、すっかり大人(というより結構いい年)になってからペアリングして成功したので、要はやり方なのだ。


お見合い

「しろいこちゃん」は母スナと姉妹スナと4匹で暮らしていたのだが、お見合のため敷き藁を彼女のニオイだけにしたかったので(それにチビだったのでしばらくしっかり食べさせたかった)、ひとまず、別の容器(プラケ=プラスチックの水槽)に引っ越し。
さっきまで、おかーちゃんやおねーちゃん(いもうとか?)たちと、団子状態になって過ごしていた彼女。「あれ?あれ?あれ? みんなどこ?」と探し回っている(ように見える)。ちょっとかわいそう。ごめんね。

まあそれからしばらく一人暮らしをしてもらった(1週間か2週間。忘れた)
んでもって、3月3日、お見合開始。

これはあくまでも、うちで行って成功した方法であります。あなたの家で同じことしてうまくいくかどうかはわかりませんので、あくまでも、参考まで、つーことでよろしくね

まずは巣材を取り替えっこ。「ん?誰のニオイだあ?」と思わせておいたところで、「しろいこちゃん」を「しろくん」のプラケに入れちゃう。(メスをオスのほうに入れるんですよ。)もちろん、バトルになったらすぐに救出できるように、飼い主は、待機。
「おまえ、だれ?」「あなた、だれ?」とお互いに近寄ってちょっとニオイを嗅いでみて、ちょっと、軽く戦ってみる。「う、ヤバイか」と飼い主は手を入れようとすると、2匹は離れて、それぞれ別の場所で敷き藁を掘ってみたり、エサを食べてみたりと、無関心。そのあとは全然、お互いに近寄ることもなし…。
そんなことがそれ以降数日続いた。発情(スナネズミの発情周期は4〜6日)してないのか、相性が悪いのか、まあともかく、お見合を続けてみた。


えっち

そして3月9日夜、これまで通りに「しろいこちゃん」を「しろくん」のプラケに入れた。すると、ちょっといつもより執拗に「しろくん」がニオイを嗅いでるかな?と思ったその時!!!(大げさだなあ)
「しろくん」乗っかる。「しろいこちゃん」お尻をあげる。
メスがお尻をあげるのは、オスを受け入れるということ。まさにこの日、発情していたつーことだ。
いやいやしかし、サル状態(^^;) 昨日まであんなに無関心だったくせに、もう、交尾しまくりである。関心しちゃうほどだ(何に?)

実は今回、繁殖にあたって、どうしても見てみたいことがあった。それは「スナネズミのオスってホントに育児の手伝いをするの?」ということ。
だから、交尾したからといって、また別々にしちゃうわけにはいかない。このまま同居突入だ。そうはいっても発情明け(そんな言葉あるか?)にケンカするのも困る。そこでこの夜は枕元に2匹のプラケを置いて寝るが、やっぱしうるさくて眠れない(^^;) もとにもどす。


ご懐妊期間

同居を始めた2匹。まあこれが仲良しなんだなあ。しょっちゅうグルーミングしあってる。そんな暮らしの5日目(3/14)、「しろくん」を手に持ったら、手になんか付いた。見ると7mmくらいの白い湿った物体…これって膣栓?
膣栓というのは、受精を確実なものにするためや、他のオスが交尾できないように、オスの精液が膣内で変化して栓物質となるもの。つまりフタしちゃうのである(この解釈で合ってるんだろうか)
どうして5日もたってから見つかったのだろうか。交尾しようとしたら抜けちゃったのか。そもそもそんなに長い間、詰まったままのものなのか。ちなみにチンチラの膣栓は経験上では、次の日くらいには、抜け落ちているのだけど。

さて「しろいこちゃん」の体重変化。
交尾後5日目くらいには65gが、14日目で75g、18日目で85gと刻々と増加。しかしその後、簡単な秤からデジタル秤になったため20日目には83gと減ってしまった。というかこれが正しかったんだろうな。で21日目85g、22日目89g、23日目90g、とぐんぐん増える。
スナネズミの妊娠をお腹の大きさで見きわめるのは難しいというが、たしかに目立ってぽっこりするわけじゃない。「ちょっと下半身デブ〜?」って感じだ。


生まれたあ〜

24日目(4/2)、体重は91g。増えたのは25gだ。妊娠中に増加する体重は10〜30g(『ウサギと齧歯類の生物学と臨床医学』より)というし、そろそろなんじゃないのかなあ?とわくわくどきどき。ちなみにスナネズミの妊娠期間は24〜26日である(『実験動物学』より)。
なんせ、生まれてこのかた、自分の手元で動物の命が誕生するなんつーのは経験がない。わくわく、よりも「子喰い」や「育児放棄」が心配。
そんな今宵、幸か不幸か仕事は徹夜せねばならない状態。ちょっとやっては隣の部屋に、様子を見に行ってみたりする。そして午前4時半…

生まれたあ〜!!

なんだか赤い物体が、「しろいこちゃん」のそばにある。うわあ、生まれたんだ。体の小さな子なのに、よくぞ頑張った。2匹かあ、まあそうだよね、お腹もそんなに出てなかったし。
というのは大きな間違い。やっぱ「ねずみはねずみ」ということなのか? 5時半にはもう2匹、6時半にはもう3匹…合計で7匹もの元気なちっちゃい赤いのを生んだのでした。まさか7匹も生まれるとは!オーマイガッ。

さて、生まれたあとにやってくる儀式、それは「後発情」。出産したあとに発情、また交尾をしちゃうのだ。だから本当は、増やしたくなければ離すべきところなんだけど、「お父さんの育児」が見たい!ので、そのままにしてたわけですが、「しろくん」、迫ってました、さっき赤ちゃん生んだばっかしの「しろいこちゃん」に、果敢に挑んでました。うまくいってるようには見えなかったんだけど…


濡れたぴんくまうすから乾いたぴんくまうすへ

ピンクマウスとは良く言ったもので、子スナたちはどっからみてもピンク色。うじゅじゅと「しろいこちゃん」の下で動き、なんだか不思議な物体ではある。
もろもろの理由で子スナたちが離乳できない確率は、20%(『ウサギと齧歯類の生物学と臨床医学』より)、となると7匹のうち1、2匹は育たないのか? そんなのいやだ。しろいこちゃんに噛まれて頭半分ない子とかを処理(__;)せなあかん時もあるのか、と思いつつ、なるべくちょっかい出さないようにしつつ、でも記録写真は残さねば!と毎日プラケのフタを開けては写真を撮りまくりの日々。
見るたびに、湿っぽそうな皮膚をしていたぴんくまうす君たちは、乾燥した皮膚を持つぴんくまうす君へと変貌をとげていく。


成長の過程

(当時付けてたメモから…)

5日目  目に線ができた。鼻や口がはっきりしてきた。耳介が開く。産毛が生えた。
6日目  ヒゲが生えた。
11日目 体重7g。
15日目 体重12g。
16日目 ホリホリする。藁をカミカミする。動き回る。
17日目 親に毛づくろいしてた。ヒマワリの種やフードを食べようとする。
18日目 ノーマルの1匹、右目だけ開く。
19日目 体重15g。
20日目 全員、目が開く。
21日目 体重17g。
22日目 体重19g。
30日目 体重23g。
32日目 もうミルク飲まないみたい。

62日目 7匹の体重は44〜55gの範囲内。

7匹の性別は、オスが5匹、メスが2匹。色は、ノーマルが3匹、アプリコットが5匹。赤目がいるのは生まれてすぐわかったけど、毛色がはっきりしたのは10日目くらい。それ以前だと、「白っぽい」とかそんな程度しかわからなかった。性別のほうは、35日目にオスとメスを分けたけどその後間違いはなかったので(^^;) 1カ月過ぎればわかるんでしょう。
ところでうちの子たちの成長度は、平均的なのかしら? ということで、『実験動物学』に書かれている成長過程を見てみると…耳の開口3〜7日目、被毛の出現5〜7日目、開眼16〜20日目。まあ問題なさそうですね。写真はここ


生まれたあ〜2

それは子スナたちが34日目を迎えた日のこと。
確か夜の12時くらい、ビール飲みながら子スナたちの顔でも見ようかと、プラケを覗き込んだわたしの目に映ったのは!!

また生まれてる〜!


これが後発情の賜物

そう、これが、出産後すぐにオスとメスを離さなかったためのオマケだ。覚悟はしていたものの本当に生まれるとは思わなかったのだ。
生まれてきたのは全部で5匹。毛色はもちろんわからないんだけど、黒目か赤目かはなんとなくわかる。黒目が2匹と赤目が3匹だ。
いやはやそれにしてもしかし、「しろいこちゃん」の妊娠にはまったく気が付いていなかったため、わたしはこの日、出産する数時間前、ケージをきれーに掃除(^^;) それって出産直前にやっちゃいけないことだ。気が付いてないってほんとうにおそろしい。だから、結果的にこの子たちも全員無事に育った(^^)のだけど、ほっとする。

さて、そして凝りもせずそのままにしておいたらどーなるか…また増える。だから、この翌日(5/7)、4月生まれの子たちの35日目、「しろくん」と男の子5匹を別の水槽に分けた。


がんばれ2度目の子育て

うまくできているもので、さきに書いたように4月生まれの子たちは32日目(5/4)にはもうミルクを飲まなくなっている。「しろいこちゃん」は新生児の子育てに専念できるというわけだ。4月生まれの女の子2匹だって子育ての邪魔なんかしないんだよ。時々、赤ちゃんの上に乗ってしまったりしているんだけど(^^;)
この赤ちゃんたちの成長過程はこんな感じ…

5日目  耳が立った
18日目 ノーマル2匹、目が開く。
20日目 全員、目が開く
29日目 5匹の体重は22〜24g。

その後、お母さん&子どもたちのメス5匹は6月21日まで一緒の水槽に入れていましたが、子ども同士でどうしても仲のよくない2匹がでてきたので(じゃれているのではなく明らかに攻撃的なかんじ)、「しろいこちゃん」と2匹、子どもだけ3匹、の2つに分けて、現在にいたります。
オスのほうは、「しろくん」と3匹、子ども2匹、子ども2匹の3つに分けました。…しかし98年の1月に、「しろくん」、同一水槽の子ども1匹、の2匹が立て続けに死亡。7匹と5匹の合計12匹の子どもたちのおとうさんはもういないし、12匹も11匹になってしまいました。
「しろいこちゃん」と残った子どもたちは、長生きしてほしいと思っています。


本日98年4月8日。なんとたったこれだけのものを書くのに、すっかりさぼりながらやってるもんだから、足掛け2年もたってしまいました、とほほ。子どもたちも、生まれて1年、元気です(^^)
そしてやーっと子どもたちの画像を登録できたのはなんとまあ99年12月。すでにしろくん、しろいこちゃんともに天国へゆき、子すなーずももう2才8ヶ月、数は7匹になってしまいましたが、どうかみんな長生きしてくれよと祈る気持ちでいっぱいです。

もし、みなさんのスナネズミの繁殖にあたって、この記録が少しでもお役にたてば幸いです。

background by Aomusi's World


[index] [どうぶつ部屋] [わたし部屋] [企画モノ部屋] [掲示板(animal)| 掲示板(etc…)] [営業案内] [サイトマップ] [mail to]