すなねずみ繁殖記録 |
赤ちゃんすなーずの成長の様子はすなねずみ成長写真館 をどうぞ!
白同士だとどのくらい白が出るんだろう?とか、ちょっとある事情があって赤ちゃんスナの写真が必要だったり、とか、なんといってもかわいい仔スナを見たかった、とかいろいろな理由で、繁殖させることにした。
スナネズミは集団性の動物だし、ペアの絆がとても強い(うらやましいぜ)動物ではあるけれども、繁殖させる場合には性成熟する前にペアにしておく必要がある、と書籍には書いてある。
しかし、そもそも「しろいこちゃん」の親だって、すっかり大人(というより結構いい年)になってからペアリングして成功したので、要はやり方なのだ。
まあそれからしばらく一人暮らしをしてもらった(1週間か2週間。忘れた)
んでもって、3月3日、お見合開始。
これはあくまでも、うちで行って成功した方法であります。あなたの家で同じことしてうまくいくかどうかはわかりませんので、あくまでも、参考まで、つーことでよろしくね
まずは巣材を取り替えっこ。「ん?誰のニオイだあ?」と思わせておいたところで、「しろいこちゃん」を「しろくん」のプラケに入れちゃう。(メスをオスのほうに入れるんですよ。)もちろん、バトルになったらすぐに救出できるように、飼い主は、待機。
「おまえ、だれ?」「あなた、だれ?」とお互いに近寄ってちょっとニオイを嗅いでみて、ちょっと、軽く戦ってみる。「う、ヤバイか」と飼い主は手を入れようとすると、2匹は離れて、それぞれ別の場所で敷き藁を掘ってみたり、エサを食べてみたりと、無関心。そのあとは全然、お互いに近寄ることもなし…。
そんなことがそれ以降数日続いた。発情(スナネズミの発情周期は4〜6日)してないのか、相性が悪いのか、まあともかく、お見合を続けてみた。
実は今回、繁殖にあたって、どうしても見てみたいことがあった。それは「スナネズミのオスってホントに育児の手伝いをするの?」ということ。
だから、交尾したからといって、また別々にしちゃうわけにはいかない。このまま同居突入だ。そうはいっても発情明け(そんな言葉あるか?)にケンカするのも困る。そこでこの夜は枕元に2匹のプラケを置いて寝るが、やっぱしうるさくて眠れない(^^;) もとにもどす。
さて「しろいこちゃん」の体重変化。
交尾後5日目くらいには65gが、14日目で75g、18日目で85gと刻々と増加。しかしその後、簡単な秤からデジタル秤になったため20日目には83gと減ってしまった。というかこれが正しかったんだろうな。で21日目85g、22日目89g、23日目90g、とぐんぐん増える。
スナネズミの妊娠をお腹の大きさで見きわめるのは難しいというが、たしかに目立ってぽっこりするわけじゃない。「ちょっと下半身デブ〜?」って感じだ。
生まれたあ〜!!
なんだか赤い物体が、「しろいこちゃん」のそばにある。うわあ、生まれたんだ。体の小さな子なのに、よくぞ頑張った。2匹かあ、まあそうだよね、お腹もそんなに出てなかったし。
というのは大きな間違い。やっぱ「ねずみはねずみ」ということなのか? 5時半にはもう2匹、6時半にはもう3匹…合計で7匹もの元気なちっちゃい赤いのを生んだのでした。まさか7匹も生まれるとは!オーマイガッ。
さて、生まれたあとにやってくる儀式、それは「後発情」。出産したあとに発情、また交尾をしちゃうのだ。だから本当は、増やしたくなければ離すべきところなんだけど、「お父さんの育児」が見たい!ので、そのままにしてたわけですが、「しろくん」、迫ってました、さっき赤ちゃん生んだばっかしの「しろいこちゃん」に、果敢に挑んでました。うまくいってるようには見えなかったんだけど…
ピンクマウスとは良く言ったもので、子スナたちはどっからみてもピンク色。うじゅじゅと「しろいこちゃん」の下で動き、なんだか不思議な物体ではある。
もろもろの理由で子スナたちが離乳できない確率は、20%(『ウサギと齧歯類の生物学と臨床医学』より)、となると7匹のうち1、2匹は育たないのか? そんなのいやだ。しろいこちゃんに噛まれて頭半分ない子とかを処理(__;)せなあかん時もあるのか、と思いつつ、なるべくちょっかい出さないようにしつつ、でも記録写真は残さねば!と毎日プラケのフタを開けては写真を撮りまくりの日々。
見るたびに、湿っぽそうな皮膚をしていたぴんくまうす君たちは、乾燥した皮膚を持つぴんくまうす君へと変貌をとげていく。
5日目 目に線ができた。鼻や口がはっきりしてきた。耳介が開く。産毛が生えた。
6日目 ヒゲが生えた。
11日目 体重7g。
15日目 体重12g。
16日目 ホリホリする。藁をカミカミする。動き回る。
17日目 親に毛づくろいしてた。ヒマワリの種やフードを食べようとする。
18日目 ノーマルの1匹、右目だけ開く。
19日目 体重15g。
20日目 全員、目が開く。
21日目 体重17g。
22日目 体重19g。
30日目 体重23g。
32日目 もうミルク飲まないみたい。
62日目 7匹の体重は44〜55gの範囲内。
7匹の性別は、オスが5匹、メスが2匹。色は、ノーマルが3匹、アプリコットが5匹。赤目がいるのは生まれてすぐわかったけど、毛色がはっきりしたのは10日目くらい。それ以前だと、「白っぽい」とかそんな程度しかわからなかった。性別のほうは、35日目にオスとメスを分けたけどその後間違いはなかったので(^^;) 1カ月過ぎればわかるんでしょう。
ところでうちの子たちの成長度は、平均的なのかしら? ということで、『実験動物学』に書かれている成長過程を見てみると…耳の開口3〜7日目、被毛の出現5〜7日目、開眼16〜20日目。まあ問題なさそうですね。写真はここ
また生まれてる〜!
さて、そして凝りもせずそのままにしておいたらどーなるか…また増える。だから、この翌日(5/7)、4月生まれの子たちの35日目、「しろくん」と男の子5匹を別の水槽に分けた。
5日目 耳が立った
18日目 ノーマル2匹、目が開く。
20日目 全員、目が開く
29日目 5匹の体重は22〜24g。
その後、お母さん&子どもたちのメス5匹は6月21日まで一緒の水槽に入れていましたが、子ども同士でどうしても仲のよくない2匹がでてきたので(じゃれているのではなく明らかに攻撃的なかんじ)、「しろいこちゃん」と2匹、子どもだけ3匹、の2つに分けて、現在にいたります。
オスのほうは、「しろくん」と3匹、子ども2匹、子ども2匹の3つに分けました。…しかし98年の1月に、「しろくん」、同一水槽の子ども1匹、の2匹が立て続けに死亡。7匹と5匹の合計12匹の子どもたちのおとうさんはもういないし、12匹も11匹になってしまいました。
「しろいこちゃん」と残った子どもたちは、長生きしてほしいと思っています。
もし、みなさんのスナネズミの繁殖にあたって、この記録が少しでもお役にたてば幸いです。
background by Aomusi's World